東日本大震災の当時、地震から約1カ月半後、大型連休のゴールデンウィークに入ると、全国からボランティア希望者が東北に殺到した。各市町村の社会福祉協議会(社協)が開設したボランティアセンター(ボラセン)が捌ききれず、沿岸部の30市町村に設置されたボラセンの約8割が受け入れ中止を表明するなど、混乱の様相を呈した。

 だが、瓦礫の撤去や炊き出し、流出物の拾得・仕分けといったニーズは山ほど残っていた。実際に連休中、社協ではなくNPO団体や地元の指導者が組成したボランティア組織はフル稼働していた。問題は、物資同様、社協のボラセンにボランティアが集中した結果、ニーズの把握や振り分けなどの事務作業が滞り、ボトルネックとなって詰まってしまうことだった。

 現在、熊本県の社協は、「被災者の救命と生活復旧を最優先にする必要があり、渋滞に拍車をかけることは避けなければならない」とし、ボランティアを受け入れていないが、今後、1~2週間で徐々に受け入れ始めると見られる。折しもゴールデンウィーク。またぞろ、東日本大震災の時と同じような混乱が起きかねない。

 同じ轍を踏まないようにするためには、被災地の状況を分かりやすく「面」で捉え、物資やマンパワーの過不足を相対的に把握できる仕組み作りが急務。萌芽はある。既に学生らによる取り組みが進んでいる。

グーグルマップ上へ情報をマッピング

「Youth action for Kumamoto」がグーグルマップ上に作成した避難所マップ。開設中はオレンジ、閉鎖はグレーで示される
「Youth action for Kumamoto」がグーグルマップ上に作成した避難所マップ。開設中はオレンジ、閉鎖はグレーで示される

 九州大学の学生らが立ち上げた「Youth action for Kumamoto~若者向け熊本大分支援コミュニティ~」が、行政・メディア・SNSなどから収集したあらゆる情報を「グーグルマップ」上にマッピングする作業を進めている。

 17日朝には「避難所」のマッピングを完了。開設中と閉鎖済みが一目で分かるほか、「欲しいもの」「足りているもの」「困っていること」といった情報も追加できるようになっている。そのほか、「避難所から寄せられている声」「透析施設」「給水」「営業中のスーパー」「ガソリンスタンド」「炊き出し」「入浴可能な銭湯・温泉」などのマッピング作業も進んでいる。

 避難所からの声では「熊本県立北高等学校に300人程避難していますが、指定ではないため、公共の避難物資が一切届きません!」といった現地からの情報が、フェイスブックの投稿元など出所とともに明記。ガソリンスタンドでは「4/17 10:00a.m. 在庫がある限り営業。釣り銭不足情報有」といった情報もある。

 まだ情報量は乏しく、リアルタイムで状況が把握できるわけではないが、今後、被災地からのSNSでの発信と、その情報を精査してマッピングするボランティアが増えれば、被災地の今を面で把握できるインフラとして活躍するかもしれない。

 東日本大震災当時とは違い、ほぼ全ての避難所にツイッターやフェイスブック、LINEを使いこなせる人がいる。この情報環境をどう生かすか。支援の本番はこれからだ。

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