エアビーは15日、被災者向けに部屋を無償で提供する緊急支援を開始した。九州で自宅などを旅行者に貸し出している「ホスト」に対し、被災者へ無償で部屋を提供するよう呼びかけた。19日未明時点で無料宿泊が可能な物件数は約100件。これらに、4月20日までの期間、被災者であれば無償で宿泊できるようにした。

Airbnbのホストが被災者向けに無償で部屋を提供している。今回の施策は20日まで
Airbnbのホストが被災者向けに無償で部屋を提供している。今回の施策は20日まで

 この災害時の緊急対応は、2012年に発生したハリケーン「サンディ」の被災者向けに、米ニューヨークのホスト、約1400人が自発的に無償で自宅などを解放し、食事も提供したことが発端。2013年に災害時の対応として制度化し、これまで米サンディエゴの山火事や、フィリピンの台風災害時などで適用した。日本国内では、今回が初めて。

 エアビーによると、今回の取り組みは20日に終了するが、今後、ボランティアの宿泊受け入れを無償とするなど、さらなる追加支援を検討しているという。

 19日時点でも熊本県内を中心に約11万人超もの避難者がおり、その規模からすればエアビーの物件数は些細に見える。だが、無償提供の物件数が増えれば、「助け合い」の新たな形として注目されるかもしれない。

ボランティアが大型連休に殺到か

 災害規模が異なるため単純に比較は出来ないが、東日本大震災の当時と比べ、多様化している支援の形。ただ、東日本大震災でも問題となった「支援の偏在」という課題も顔をのぞかせつつある。

 「水や食料、紙おむつといった生活物資が足りておらず、被災者の皆さんは厳しい生活を強いられています」。テレビからは繰り返し、そういった文言が流れ、全国から続々と救援物資が被災地に届いている。

 だがそれらの多くは、熊本県庁や、県が保管場所としている県民総合運動公園にうず高く積まれ、人手不足や交通網の寸断などが原因で、そこから各避難所へ行き渡っていない。

 テレビ中継など報道が集中する大規模避難所には直接、物資が届き始めている。18日には、フェイスブックなどでの拡散を通じて、個人が直接、小規模な避難所に物資を持ち込む動きも出てきた。だが、各市町村が公表しているだけでも熊本県と大分県の避難所は360カ所以上。その多くは、報道やSNSなどで浮かび上がらず、物資に窮している。

 「見えている」ところに集中する結果、生じてしまう支援漏れや偏在。それは、物資に限った話ではない。

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