山本:そもそもパチンコは、射幸性を制限するため、確率は厳格に風営法で規制されていて、所定の手続きを通った機械をそのまま使用しなければいけない義務になっている。イベントをやる時も、「出玉」で呼んではいけないんです。射幸性をあおるので。

 そこまでやっている業界がある一方で、ソーシャルゲーム業界では、週末どうしてもこのくらい稼ぎたいということで、来週から確率がアップするイベントをやるでござる、とやっている。パチンコ業界とはあまりにも隔絶した常識が進んでいるように見えますが、例えば、射幸性をあおる表記をめぐるルールって策定されるご予定ですか?

日高:まず、パチンコの射幸性とゲームの射幸性はまったく違うものだと認識をしておりまして。現金を期待して現金を投じる、というのと、ユーザーがその世界観に入って自分の好きなキャラクターが欲しくてガチャを回すというのは、違うと思っているんですね。

<b>日高 裕介(ひだか・ゆうすけ)</b> 1974年、宮崎生まれ。1997年、慶應義塾大学総合政策学部卒業、インテリジェンスに入社。1998年、サイバーエージェントを共同創業者として設立、常務取締役に就任。EC事業の立ち上げやメディア事業の広告部門などを担当した後、2009年にゲーム事業を立ち上げ、2010年に取締役副社長に就任
日高 裕介(ひだか・ゆうすけ) 1974年、宮崎生まれ。1997年、慶應義塾大学総合政策学部卒業、インテリジェンスに入社。1998年、サイバーエージェントを共同創業者として設立、常務取締役に就任。EC事業の立ち上げやメディア事業の広告部門などを担当した後、2009年にゲーム事業を立ち上げ、2010年に取締役副社長に就任

日高:その上でソーシャルゲームにおいての射幸心の定義とか、関連する表現について、うちの会社でも議論をしたいと思いますし、業界全体でもやるべきだなというふうには思っています。

 ただ、射幸性というよりは、要は自分の可処分所得のレベルで課金し過ぎちゃった、というようなことが問題になっている。単純な金額の多寡ではなく、自分の生活水準の範囲を超えて課金している、というところに問題があると思っていまして。

 なので、例えば「今月これくらい使っているんですけどまだ使いますか」というようなアラートを段階的に出していくとか、そういった使いすぎを防ぐような、ストッパーのような取り組みもやっていく必要があると考えています。

射幸性を下げるための「定額販売」

山本:同時に、ユーザーさんにリテラシーがないのだとすれば、それをきちんとカバーできるような仕組みも必要だと思います。例えば、1%の確率のガチャは、100回引けば1枚出る、というわけではありません。100回引いても4割弱(約37%)の人が1回も出ない、というのは当たり前の話であって、これはリテラシーの問題です。

 それから、300種類とか、もっとあると思うんですけれど、これだけアイテムやキャラクターが増えてくると、それらをユーザーさんに行き渡らせる仕組みとして、そもそもガチャ自体に限界がきているとも思うんです。別のタイトルですけど、「0.000」の世界まで踏み込んで確率表示しているわけじゃないですか。もう、ほとんど出ないんですよ。

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