日高:まず、今回のグラブルの問題は、「ある特定のキャラが出にくいんじゃないか」「確率が低いんじゃないか」という疑念がユーザーの方から沸いて、山本さんも記事で発信されて話題になっていたところに、「会社としては確率通りちゃんとやっていて、違法ではない」という説明に終始し過ぎてしまった、と僕は思っていまして。

日高 裕介(ひだか・ゆうすけ) 1974年、宮崎生まれ。1997年、慶應義塾大学総合政策学部卒業、インテリジェンスに入社。1998年、サイバーエージェントを共同創業者として設立、常務取締役に就任。EC事業の立ち上げやメディア事業の広告部門などを担当した後、2009年にゲーム事業を立ち上げ、2010年に取締役副社長に就任

 その後、「違法かどうかではなく、確率が低いのでは、と思わせてしまったことが問題」というご指摘があって、そこは真摯に受け止め、問題となったガチャイベントについては、「ゲーム内通貨」による返金を決めました。

 いわゆる「高額課金」という問題は時々、出てきますが、何かしら対応しなければいけないと思いつつ、具体的に取り組めていなかったという反省もありまして、グラブルに関しては3月から、1つのアイテムを得るまで「300回、9万円」を上限とする仕組みを取り入れました。

 僕たちはゼロからゲーム事業を立ち上げたのですが、やり始めると、どんどん市場が大きくなって、すごい課金をする人がたくさんいるな、と驚いたんですね。月に100万円も使うというのは、行き過ぎだろうと普通にやっぱり思うわけです。

 なので、(グループの)ほかのタイトルでも、高額課金を抑えていく方向の施策をやるべきだと思っているものについては、積極的に4月中旬くらいからどんどん実施していこうと思っています。同時に、ユーザー側に立った、より具体的な施策やガイドラインを、4月中をメドにグループとして出していこうと考えています。

4月にもCESAから新たなガイドライン

山本 一郎(やまもと・いちろう) 1973年、東京生まれ。1996年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。ベンチャービジネスの設立や技術系企業の財務・資金調達など技術動向と金融市場に精通。現在はデータビークル取締役、東北楽天ゴールデンイーグルス編成・育成データ担当。東京大学と慶応義塾大学で運営する政策シンクネット「首都圏2030」で研究マネジメントも手がける

山本:なるほど。各社さんが個別で対応しているわけですが、消費者からのお言葉やクレームに対応できる会社があり、できない会社もあり、温度感にばらつきがありますよね。一方で、法規制を検討しましょう、みたいな流れになる可能性がちょっとあるのかなというのが、非常に見ていて恐ろしいというか、大丈夫なんだろうかとも思ってしまいます。

日高:おっしゃる通りで、もちろん各社さん、いろいろと事情が違うところもありますが、今の議論では、そこはいったん置いておいて、まず何だったら業界として実現が可能なのかを考え、足並みを揃えるということに、一生懸命取り組んでいるところです。

 具体的には、「一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)」が中心となり、消費者庁とも連絡を取ってやっています。1社でも多くの会社が賛同できるようなものを目指していくというのが、今の1つの目印になっていると認識しています。