Q 夫が単身赴任から戻ってきます。現在深い関係の方がいて、はじめは軽い出来心だったのですが、相手を知るにつれてお互い本気で好きになっていました。彼にも相手がいるし離婚は考えていません。夫は多少愛情が薄れてきたものの元々好きで結婚した相手ですし傷つけたくもありません。平穏に暮らしていくには関係を終わりにすべきだというのはわかってはいますが、彼とも別れたくないのが本音です。お互いパートナーでは埋められない心の隙間を補い合っているこの関係を断ち切ることで、味気ない日常を過ごしていかねばならないと思うと心が死んでしまいそうです。島地さん、私はどうすれば良いのでしょうか。
(30歳・女性)
ミツハシ:今回の相談、シマジさんはどう思いますか。夫が単身赴任から戻ってくると、まるで世界の終わりが訪れるかのようなこの相談文は、ちょっと大げさじゃないでしょうか。
シマジ:俺もそう思うね。世の中には夫婦一緒に暮らしながら、わずかな疑いも抱かせずに、配偶者以外の相手と上手に愛し合っている男女はいくらでもいる。単身赴任の終了=愉しい恋愛の時間の終わりという相談者の発想はちょっと悲観的すぎる気がするな。
これまでよほどやりたい放題だったのかね。夫の不在をいいことに、相談者の家に男を上げたり、朝まで一緒に過ごしたり、一緒に旅行に出かけたりとか。そんな日々を送ってきたとするなら、確かにこれからはそこまで自由には振る舞えないだろう。
だが、いくら夫が赴任中にだからといって、不倫の恋愛を愉しもうという男女は、秘密を墓場に持って行く緊張感を失ってはいけない。緊張感のない不倫を続けていると、怪しいと感ずく者が必ず出てくる。そして早晩、赴任中の夫の耳にも何らかの情報がもたらされる。
ミツハシ:そうかもしれませんね。それで、こらから相談者はどうすべきでしょう。
どうしようもないじゃないか、腹を括るしかない
シマジ:どうするも何も、相談者は愛する男と会えないと「心が死んでしまう」というなら、どうしようもないじゃないか。これからも会い続けることになるのだろうから、腹を括るしかない。
ミツハシ:絶対にバレない工夫をしろと。
シマジ:相談者は30歳だろ。30歳を過ぎた女なら大人の分別があるはずだ。大人の分別とは炎の熱中と氷の冷静を使い分けることだよ。あるいは人格を使い分けると言ってもいい。
愛する男と会って肌を重ねる時は、燃え上がれる限り燃え上がればいい。社会の規範や倫理や常識なんてものをかなぐり捨てて、自分の欲望と快感をとことん追求する。しかし、一歩外に出たら、先ほどまでの痴態など誰にも想像できないような凛とした淑女として歩き始める。それができるのが大人の女であり、そうであれば、夫が赴任から戻って来ることを恐れたりはしなくなる。
ミツハシ:夫が戻ってくることを恐れている相談者は、夫と再び一緒に暮らすに当たって、自分の感情を上手にコントロールできるのかどうかを心配しているのかもしれませんね。
さっきまで男と激しく愛し合っていた。その直後に夫と2人きりの時間を過ごす。そうなったら、きっと動揺を隠せない。もしかしたら夫をうとましく感じるかもしれない。そんな不安を感じているのかもしれません。
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