しめっぽい墓碑銘はいけない

ミツハシ:格言好きのシマジさんにぴったりの仕事かもしれませんね。

シマジ:そう思うだろ。俺に墓碑銘を作ってもらいたい読者がいたら、遠慮せず言ってくれ。俺の執筆モットーは「うまい、早い、高い」だ。
 墓碑銘は弔辞と違って、三人称で書くのがルールだ。こんな具合だよ。
 「彼が部屋に入っていくと居合わせた男たちがいままで以上に気持ちがちょっぴり明るくなった。そして居合わせた女たちがいままで以上に気持ちがちょっぴり淫らになった」

ミツハシ:しゃれていますね。どなたの墓碑銘ですか。

シマジ:俺のだよ。

ミツハシ:自分の墓碑銘を自分で作った?

シマジ:商品サンプルを兼ねてね。

 死の直後に二人称で呼びかける弔辞は悲しみの最中でのお別れの言葉だ。この段階では、遠慮せず泣き、悲しめばいい。そこを少しずつ乗り越えていったら、今度は三人称で墓碑銘を書く。墓碑銘でしめっぽいのはいけない。故人の本質を簡潔に、できればユーモアも交えて表現する。墓碑銘を考える作業は相談者が愛する人の人生を客観視することにつながるはずだ。ただし、せっかく作った墓碑銘だからといって、個人の墓石に彫ったりはしないように。紙に書いてお守りの中にでも入れておけば、きっと相談者の人生を見守り続けてくれるはずだ。

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