斎藤:加工機械のプログラミングデータを丸ごと盗まれてしまうとか、そういう心配はないんでしょうか。
高野:まず、うちの技術を盗むためには3つのハードルがあります。1つは先ほどお話した特許、知財対策のところですね。もう1つは相当ハイスペックな機械でなければ加工できないこと。そもそもそんなハイスペックな機械は、うちか大企業しか持っていません。そしてもう1つは、加工のプロが見てもどうやって削っているかが分からないということです。これは父親の職人としてのノウハウなんですが、同業他社がそれを見ても、どうやって加工しているかは分からないと思います。
息子と父の二人三脚
斎藤:なるほど、そこにもまさに技術が承継されていて、お父さんの匠の技がそこに生きている。
高野:そうなんです。だから、この製品は、ある意味、偶然が重なったというのもあるんですけど、新しいアイデアと、それをNC旋盤加工機にプログラミングする力と、父が培かった匠としてのノウハウがあって初めて完成したものなんです。
斎藤:なるほど。まさに親子二人三脚でこの製品ができているということですか。ますます今後の展開が楽しみですね。今日はありがとうございました。
(構成:藤野太一)

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