斎藤:新しい考え方ですね。いま日本発で世界で勝てるベンチャー企業が数少ない中で、これからの課題や今後の展望をどう考えておられますか。

高野:世界各地で展示会をやっていますが、欧州の次に米国や中東で展示会をやりました。シンガポールやアジアは後回しにしようと思っています。

 米国にはベンチャーを育てるための体制がすごく整っている。ロサンゼルスに環境ベンチャーを育成する施設があるんですけど、そこに日系企業として初めて入れそうなんです。まず1カ月間ブートキャンプをして、マーケティングなどの専門家たちが、どのターゲット層にどういう形で販売していくかといった戦略を一緒になって考えてくれるものです。その結果を見て、米国に進出するのであればオフィスも格安で使わせてもらえます。

 中東諸国では、家庭用でも大きな可能性があります。例えば日本の一般的な家だと、1軒当たりの蛇口はせいぜいキッチンと洗面所と風呂で2~3カ所しかありませんが、中東では10カ所以上の蛇口が当たり前にあります。そして、砂漠地域なので毎日洗車するんです。いまは水代に補助金が出ているのですが、いずれそれが全額カットになる。(節水には)大きなビジネスチャンスがあって、すでに現地でパートナーを見つけました。

 うちの今の課題は、会社の急成長に対して全然組織が追いつかず、ボトルネックになっていることですね。

斎藤事業統括本部長(左)と高野社長が将来の可能性で盛り上がる(写真:菊池一郎)

急成長で体制整備が課題に

斎藤:そうでしょうね。それだけ急成長していれば。

高野:マネジメントできる人間も少なくて、まだ組織体制もできていない。それこそ会社の就業規則も、今つくっているところです。

 また、生産数が倍、倍と増えるにつれて品質が下がってきた。僕が工場に入って一緒にやれたときはいいんですけど、今となっては、それもできないので質が落ちてきたと。製品は性能には問題ないですし、品質は合格ラインにはあるんです。ただ開発した人間のこだわりとして、最高の物を提供したいという思いがあります。お客様が気付くか分からない程度の差ですが、そのラインに到達しづらくなってきた。

 こういう状況になることはある程度想定していたので、昨年から海外の大規模工場で量産を始めています。日本から工場が進出している特区があって、そこにある技術レベルの高い工場ならばBubble90が生産できると判断して生産をお願いしました。実は、自社の工場以外に、東大阪でこの製品を作れるところはない。それくらい難しいものです。

斎藤:そうなんですね。ただ、海外生産となると技術を盗まれるリスクもあるのではないかと思います。その点は心配ないのでしょうか。

高野:まず、ものすごく強い特許で守られています。うちは昨年、特許庁の集中支援企業というものに選んでいただいていまして、特許庁から派遣された先生が毎月いらして、より強化したほうがよい点などを指導していただいています。