斎藤:日本人スタッフとの間でトラブルはありませんか。

吉田:トラブルはないですが、気を抜くとお互いに疑心暗鬼になる面もあるので、社員間のウエットコミュニケーションを大事にしています。例えば、社員旅行やバーベキューパーティー、野球見物など、なるべく全社員が参加するようにしています。イベントは僕がすべて仕切るんですよ。
 1人ひとりの名前とプロフィールや趣味などを書いたパンフレットを作り、それぞれのキャラを生かせるようなゲームやイベントを用意します。例えば、普段はおとなしいけど、カラオケで歌わせたらすごいとか、各人の得意をみんなに教えて、ウエットなコミュニケーションを促進しています。テレビ局時代に宴会部長だったので、その経験が生きています(笑)。

訪台日本人向けのメディアも作りたい

斎藤:ネットビジネスの割には、顧客ともウエットコミュニケーションを大事にしているようですね。

吉田:うちはスーパーウエットですよ(笑)。営業にはとにかくお客さんと飲みに行けと言っています。僕自身も酒好きですからね。そして、お客さんと飲みに行ったら、絶対にこちらで費用を持てと。ネット会社でここまでアナログ営業を大事にする会社も珍しいでしょう。宴会を開くときは、もちろん僕がすべて仕切り、余興まで用意します。

吉田社長(左)と、聞き手であるトーマツ ベンチャーサポートの斎藤統括本部長

斎藤:営業は日本人の担当ですか。

吉田:そうです。主に日本人です。営業には僕の真似をしろとは言わないが、相手のメリットを考えて、「売らんかな」の営業はしないようにといつも話しています。

斎藤:最後に今後のビジネスの展望をお聞かせ下さい。

吉田:中長期的には、日本と台湾の健全な発展に寄与することを標榜しています。両国のためになる事業を拡大させていきたいですね。いま、訪日台湾人は400万人ですが、訪台日本人は200万人。人口を考えると少なすぎます。もっと台湾に行ってもらって、理解を深めてもらいたい。そのために訪台日本人向けのメディアを作るために準備をしています。日本人のシニア層にアピールするために日本のテレビCMを活用したいと思っています。
 また、台湾のメディアは芸能とゴシップばかりなので、20~30代の意識の高い人達が見るメディアも作りたいですね。
 直近の計画では、ラーチーゴーに予約システムを搭載し、4月にオープンする予定です。これは、飛行機、ホテル、アクティビティーなどを一括して予約できる仕組みで、どこの旅行代理店と提携するか最終調節中です。
 小さいマーケットですが、まだまだポテンシャルはあり、サイトの機能をさらに上げて、利用者を拡大したいと思っています。

 (構成:吉村克己、編集:日経トップリーダー

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