斎藤:そのフェイスブックから情報を吸い上げたのですか?

吉田:地元テレビ局の友人からも情報を得ましたが、フェイスブックのユーザー達から教えてもらった情報が大きいですね。日本を旅行するとき、何が不便か、何が足りないか聞き、訪日客向けのポータルサイトがないということが分かったので、サイトを作ろうと決断しました。それで、日本に先駆けて13年夏頃、ジーリーメディアを台湾で設立したのです

サイトよりも吉田社長が先に売れた

斎藤:ラーチーゴーの最初の評判はどうでしたか。

吉田:それが当初の予想とは違って、最初に売れたのは僕自身だったのです。日本人で中国語がしゃべれ、テレビのことも分かるし、テレビでアホなことも言えるというので、キャラ的に重宝され(笑)、台湾のテレビに出演したり、ヤフーニュースなどで取り上げられたりするようになりました。
 その結果、僕のフェイスブックのファンが54万人にもなり、台湾では日本人ナンバーワンになりました。台湾は人口の7割がフェイスブックを利用しているので、そこでの人気は大きい。「ああ、あの吉田がやっているサイトだから」と、徐々にラーチーゴーへの関心が高まりました。
 16年11月には高雄最大の百貨店「漢神(はんしん)百貨」に頼まれて、日本物産展の事前告知広告に僕が出演し、テレビや地下鉄で放映されました(笑い)。  

高雄最大の百貨店で日本物産展の広告にも登場した吉田社長(横断幕の写真)

斎藤:会社の経営は当初からうまくいったのですか。

吉田:テレビCMをどう売るかは前職で経験済みですし、100社以上の広告代理店とのネットワークもあったので、初年度からトントンでいけました。当時は僕一人で、1日中走り回って代理店に営業していました。
 ちょうど、訪日客が急増するタイミングだったので、2期目にはサッポロビールやサントリーなど大手も広告を出してくれて、黒字になりました。影響が大きかったのは、北海道日本ハムファイターズが札幌ドームへ集客するために契約してくれたことです。ファイターズには当時、陽岱鋼(ようだいかん)という台湾出身の3番バッターがいたので、彼を含めて台湾でPRし、集客しました。台湾では野球は人気がありますからね。これによって他のクライアントも信頼してくれるようになりました。
 こうして2期目の黒字を投資に回すことができ、その頃から何とか運営していけそうだと自信を持てるようになりました。すると、2期目以降は、売り上げが倍々で伸びるようになったんです。

(後編に続く、構成:吉村克己、編集:日経トップリーダー

 
起業家と一緒に磨いたノウハウを1冊に集約

 全国約3000社のベンチャー企業を支援してきたトーマツ ベンチャーサポート(TVS)が、そのノウハウをまとめた書籍『起業家とつくった起業の教科書』が好評販売中です。

 TVSが、起業家と一緒に蓄積してきた起業のノウハウを厳選し、初めて起業したばかりの人、これから起業する人のために分かりやすく整理しました。

 会社のビジョンはどうつくるのか、起業するメンバーはどう集めるのか、資金はいくら必要でどう調達するのか、会社の認知度を上げるPRはどうすべきか、大企業と組むには何が必要か。起業の際に知るべき基本がこれ1冊でほぼカバーできます。先輩起業家へのアンケート調査結果、起業の実際などが分かるインタビューも豊富に収録し、起業とは何かをリアルに理解できます。