斎藤:ラーチーゴーのユーザーはどのような人達でしょうか。
吉田:20~30代の女性が中心ですが、この層は2~3年で最も訪日数が増えています。サイトを立ち上げた2013年頃は、台湾からの訪日客は月8万人でしたが、現在は35万~40万人と急増しています。
その引き金を引いたのは、格安航空会社(LCC)の就航ですよ。これまで費用が高すぎてあきらめていた彼女たちが一気に日本に押し寄せたわけです。
そもそも台湾は人口2351万人のうち年間416万人も訪日しています。日本にとっては得意客なんですよ。これに対して中国からは年637万人来ていますが、人口比では0.4%程度。台湾の17.6%とは比較になりません(2016年度統計より)。
私達はこのお得意さんの中でも、LCCで訪日する層に絞って情報を提供しています。
斎藤:ラーチーゴーを使っているユーザーが日本で特に好きなものはありますか。
吉田:いろいろありますが、一番は薬や化粧品でしょう。台湾は薬の規制が厳しいので、安くて質のいい日本の薬を多く買っていきます。グルメも単価があまり高いものは好まれません。お酒もそれほど飲まないですね。ただ、16年からは日本酒がブームになってきました。関税のせいで台湾では日本の3倍という高値なので、日本の免税店でお土産に買って帰る人達も多いです。あとは雑貨ですね。特に文具はよく売れます。
斎藤:台湾にお店(MiCHi Cafe)もあるようですが、そこではどんな商品を売っているのですか?
ECの達人に備えてリアルの店舗を開店
吉田:サイトで人気があるものや、話題を集めている商品を輸入して売っています。そもそも、サイトで紹介した商品をどこで買えるのかというユーザーからの問い合わせが多かったので、店を開きました。EC(電子商取引)も考えたんですが、台湾には自分が日本に行く前に、直接、日本のアマゾンや楽天で買っておいて宿泊先に届けてしまうような〝達人″が多いのです。そこで、リアルな店舗をアンテナショップあるいはメディア代わりに使った方が得策だと思ったのです。

店には1階と地下があり、広さは合計40坪ほど。1階では雑貨を売り、地下はカフェやイベントスペースになっています。僕自身がそこで日本酒セミナーを開いたり、化粧品のお試し販売をしたりしています。店の運営以外にも、台湾でテレビ番組の制作や、出版、アプリ開発なども行っています。
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