地方には、フリーランスのデザイナーやシステムエンジニア、カメラマン、ライター、イラストレーターなど多様な人材が住んでいる。そうした何十万人ものフリーランスに、大手企業などからの仕事をマッチングさせるサービスを提供するのが、ランサーズだ。日本でのクラウドソーシングの草分け的存在であるこの会社は、先駆者としての“生みの苦しみ”も味わってきた。同社の秋好陽介社長と、ベンチャーの動向に詳しいトーマツ ベンチャーサポートの斎藤祐馬事業統括本部長に聞いた(前回の記事はこちらをご覧ください)。

この会社を起業して、一番大変だったことは何ですか。

起業してから2~3年は苦戦が続いたという秋好社長(写真:菊池一郎、以下同)

秋好:当初はクラウドソーシングという概念がなくて、法人が個人にオンラインで発注できるんですと言っても、何それ、そんなの危ないでしょとか、そういう反応でした。

 まず知ってもらって、安心して使えるものだと理解してもらうこととです。次に仕事の内容や量のマッチングです。法人側からの発注だけがあっても、それに応えられる個人がいないとだめです。ロゴを作りたい法人に、翻訳を請け負う個人はマッチングしないので。信頼してもらい、きちんとしたサイクルで回していけるようになるまでに、起業してから2~3年はかかりました。やはりそこですね。一番大変だったところは。

斎藤:何もなかったところで、ゼロから作りあげたわけですね。

秋好:最初は、ずっと月の売り上げが10万円ぐらいだったんです。資本金も減る一方で、2年ぐらいは本当につらかったです。

大震災で働くことへの意識改革が

売り上げが増えたきっかけは何だったんですか。

秋好:そうですね。2つあります。1つは東日本大震災の以降、節電などで世の中の人の働き方とか、働くことへの意識改革がおそらくあったんだと思います。もう1つは同時に我々のサービスを日々チューニングして、徐々にマーケットにフィットしていきました。「ここまでやっているんだったら安心だな」と、受け止めてもらえるようになってきたんだと思います。