「自分で作る」お好み焼きに外国人が喜ぶ

きゃりーぱみゅぱみゅはいかがですか。『タイムアウト東京』の表紙にもなっていて、ロンドン版も同じカヴァー写真で、同じ特集が組まれたとか。

伏谷 :彼女の場合は、観客とのコミュニケーションがインタラクティブで世界共通。「ハロー、アイ・ラブ・ロンドーン!」くらいは英語で言うけれど、それ以外は全部日本語で、それを現地のオーディエンスも喜ぶ。あと観客層が日本と変わらない。小さい子ども連れが多くて、家族で一緒に踊っていたり。

面白いですね。同じクラスターが国境を超えて、同時多発的に生まれる時代。僕はLADYBABYというグループも注目しています。日本人の女の子2人と、オーストラリア人のひげ男が萌え系コスプレしている3人組。女装の彼が歌い出すと、突然デスメタル調になるというねじれっぷりです。デビュー曲「ニッポン饅頭」のPVは、日本の紹介ビデオにもなっているのですが、これが何と4カ月でYouTubeで1000万ビューを叩き出しました。これまで政府が高い予算つけて作ってきたPR映像は何だったんだというほどの反響です。

伏谷 :確かに、インパクトとしては間違いなく高い効果がありそうですよね。

『タイムアウト東京』を続けてきた中で、海外から見て魅力的に映るコンテンツが何か分かっていらっしゃると思います。例えばどんなものでしょう。

タイムアウト東京とロンドンの表紙を、同時にきゃりーぱみゅぱみゅが飾った
タイムアウト東京とロンドンの表紙を、同時にきゃりーぱみゅぱみゅが飾った

伏谷 :総じて言えるのは、自分たちにとっては「ひとさまにお見せするほどのものでは」と思っているものほど、外国人には魅力的に映るということです。

 例えば、きゃりーぱみゅぱみゅを表紙にした「CULTURE SHOCK」という特集号では、「100 ways Japan will blow your mind, starting with Kyary Pamyu Pamyu」と銘打って、外国人が楽しめる、日本の日常的体験について100例紹介しています。

どんなものが挙がっているのでしょう。(ページをめくりながら)なるほど、「お好み焼き」ですか。

伏谷 :お好み焼きの何がユニークかと言うと、「自分で作る」点です。日本人には当たり前だけれど、外国人は「え?自分で作るの?」と驚くわけです。「おもてなし」なんて言っている割に、お客に作らせちゃう(笑)。味の組み合わせを豊富にカスタマイズできるのも、外国人にとっては「アメイジング」みたいです。

 日本に来る外国人にとって一番の楽しみは「体験」に尽きる。だから『タイムアウト東京』では、できるだけ“DO”、動詞形で体験を提案するようにしています。「新宿でしかできない101のこと」のように。(後編に続く)