国務長官に指名されたレックス・ティラーソン氏。エクソンモービル の会長兼CEOを務める(写真:ロイター/アフロ)

トランプ次期大統領は国務長官に、米石油メジャー最大手エクソンモービル 会長兼CEO(経営最高責任者)のレックス・ティラーソン氏(64)を指名しました。

 国務長官候補にはミット・ロムニー前共和党大統領候補はじめ数人の名前が取りざたされていました。最後の最後でティラーソン氏に決まった背景はなんでしょう。

高濱:米政界も驚きを持って受け止めています。米国史上、ビジネスマンが国務長官に指名されたのはこれが初めてです。ロナルド・レーガン政権のジョージ・シュルツ国務長官(当時)は直前まで、米べクテルの重役を8年間務めていました。しかしシュルツ氏は、元々シカゴ大学の教授。その後、行政管理局長官、財務長官を歴任して国務長官になっています。ティラーソン氏のようなビジネス畑一筋ではありませんでした。

 ティラーソン氏はテキサス州ウチタフォールズ生まれ。テキサス大学オースチン校を卒業してすぐエクソンに入社。配属された国内外の各部門でめきめきと頭角を現し、エクソン・イエメン社長、ロシア・カスピ海地区に展開するエクソン・ネフテガス社長を経験しています。1999年にエクソンとモービルが合併した後は新会社の社長に、2006年には現職に就任しています。2015年の年収は2730万ドル(約31億円)と言われています。

 ティラーソン氏はエクソン・ネフテガスの社長をしていた当時、ロシアの政財界人と積極的に交流し、太いパイプを築きました。ウラジーミル・プーチン大統領(64)とも懇意といわれています。

 トランプ次期大統領がティラーソン氏に白羽の矢を立てた最大の理由は、そのロシア人脈を買ったからでしょう。トランプ氏がプーチン大統領との個人的関係作りを望むのであれば、ティラーソン氏は格好の仲介役になります。

 オバマ政権下で緊張を高めた米ロ関係が一気に好転するかどうか、ティラーソン次期国務長官の双肩にかかっていると言えましょう。

トランプ閣僚人事を巡って評価、分かれる

国務、国防両長官と国家安全保障担当大統領補佐官がすべて正式に指名され、トランプ政権の外交・国防政策の全体像が見えてきましたね。米国内の評価はどうでしょう。

高濱:米国内での評価は真っ二つに分かれています。