LAタイムズ世論調査は「トランプ優勢」

多くの世論調査が「クリントン優勢」を打ち出しています。世論調査はどれほど信用できるのでしょう。EU(欧州連合)離脱をめぐって英国で6月に行われた国民投票では、世論調査は最後の最後まで「残留派」優勢としていました。しかし実際には外れることに。米大統領選で同様のことは起こらないでしょうか。

高濱:英国の世論調査がなぜ間違っていたか。サンプル数が少かったり、サンプルが偏っていたことが原因のようですね。

 では、米大統領選ではどうなのか。

 各種世論調査の平均値を見ると10月19日現在、クリントン支持48.6%、トランプ支持45.3%です。
("Polling Data," Real Clear Politics, 10/19/2016)

 この中で、「トランプ氏44.1%、クリントン氏43.9%」と「トランプ氏優勢」と打ち出している世論調査が一つあります。米ロサンゼルス・タイムズが南カリフォルニア大学政治研究所と共同で行った「Los Angeles Times/USC Tracking Poll」です。
("Who's Winning? Daily Track of Clinton and Trump's Support," USC Dornsife/LA Times Presidential Election Daybreak Poll," 10/19/2016)

 なぜ、この調査は他と異なる結果が出ているのか。

 担当者は次のように説明しています。「3000人(今回の調査の回答者は1907人)の有権者を対象にクリントン、トランプ両候補への支持を集計すると同時に、「未定」「無回答者」の支持傾向を識別し、両候補の支持率に加算する方法をとっている」
("Why the USC/L.A.Times tracking poll differs from other surveys," David lauter, Los Angeles Times, 8/9/2016)

不正投票が行われる可能性は?

ロサンゼルス・タイムズの世論調査結果が外れていれば、トランプ氏にとっては万事休すということになりますね。

高濱:ところがトランプ氏には「ウルトラC」があるんですよ。

 過去の大統領選において、「何者か」によって二重投票や、投票された票の削除・破棄が行われた事例があるからです。

 信じられない話なのですが、その新事実を明らかにした本が最近、出版されています。調査報道では一目も二目を置かれているグレッグ・パラスト氏が著書「The Best Democracy Money Can Buy:A Tale of Billionaires & Ballot Bandits」(カネで買えるベストな民主主義:億万長者と選挙ドロボーの物語)で取り上げています。
("The Best Democracy Money Can Buy: A Tale of Billionaires & Ballot Bandits," Greg Palast, Seven Stories press, 2016)

 パラスト氏は米連邦政府下の独立機関「選挙支援委員会」(ESC)が保管する全米有権者登録リストを独自に入手し、過去の大統領選で同姓同名の有権者が2つの州で投票していた事実を突き止めました。

 ある保守系億万長者がカネを出し、保守系の息のかかった州務長官(選挙を実施する責任者)に二重投票の操作をさせていたのです。

 トランプ氏は今年1月5日、ニューハンプシャー州での集会でこう述べています。「投票システムは今や制御不能に陥っている。何回も何回も投票している有権者がいるんだ」。トランプ不利とみた保守系勢力が不正を働くかどうか。

 これだけ相手候補を激しく中傷しあい、わいせつ話から露骨な人種差別発言、不倫話まで飛び出した米大統領選挙ですから、何が起こるか、最後の最後までわかりませんよ。(笑い)