#MeToo運動は「セクハラ文化」を粉砕できるか

最後に、上院本会議は司法委員会の人事承認案を受けてどのような結論を出すのでしょうか。

高濱:本会議への送付について、グラスリー委員長とファィンスタイン筆頭理事との間で「紳士・淑女協定」を結んでいます。この協定は27日に「司法委員会が多数決でカバノー氏の人事案件を承認した」事実を尊重するというものです。

 ただ、カバノー氏の容疑について、FBIがそれを立証するような新事実をみつければ話は別です。FBIはカバノー氏のセクハラ容疑について関係者に聞き取り調査をして、その結果を纏めます。FBIは生の情報を司法委員会に報告するだけで、判断や結論を出すことはありません。ただし、カバノー氏、あるいはフォード氏が偽証したことが明らかになれば、議会侮辱罪で訴追されます。宣誓して証言しているわけですから。となれば、カバノー氏が偽証していた場合、最高裁判事に就任するなど問題外です。

 FBIは、「カバノー氏にセクハラ行為をされた」と告発している、フォード氏以外の二人の女性にも尋問しているようです。

 一人は、カバノー氏がエール大学が通っていた時にクラスメートだったというデボラ・ラミレス 氏(53)。もう一人は高校時代にカバノー氏らに集団暴行されたと訴えているジュリー・スウェイニック氏(55)です。同氏の弁護を担当しているのはマイケル・アベナッチ氏。トランプ大統領から不倫をめぐって口止め料を受け取ったとされるポルノ女優のストーミー・ダニエルズさんの弁護も担当しています。

 カバノー氏に対するセクハラ疑惑が本当なのかどうか。最高裁判事に無事になれるかどうか、目が離せません。しかし、それ以上に注目すべきは、米国で吹き荒れる「セクハラ告発」運動が今後どこへ向かうのか、です。

 米国社会は法的には、もしくは表面的には「男尊女卑」を撲滅したかに見えます。ですが、「セクハラ文化」は社会に根強く残っている。それを#MeToo運動がどこまで突き崩せるか。日本にとって「他山の石」となりうるか、注目されます。