同被告の有罪評決を受けてトランプ氏は、「非常に悲しいことだ。(モラー特別検察官の捜査は)魔女狩りだ」と非難しています。特別検察官チームが今後、コーエン氏とマナフォート氏の二人に対する聴取を強めることは間違いありません。

民主党は「ロシアゲート疑惑」を選挙の争点にせず

11月の中間選挙を控えて、トランプ共和党は厳しい情勢になってきましたね。民主党が上下両院選挙で勝って、過半数を取る可能性が一層強まりそうですね。そうなれば、弾劾もできるようになります。

高濱:ところが、どうもそうではないのです。21日のダブルパンチを食らってもトランプ氏はどこまでも強気です。

 トランプ氏は22日のテレビインタビューでこう反論しました。むろんお気に入りのフォックス・ニュースとのインタビューです。「私を弾劾にでもしようものなら、米市場はクラッシュするだろう。なぜなら、雇用を増やし続けるという私の政策が危険にさらされるからだ。(そうなれば)皆が貧しくなり、(好調な雇用や景気の)指数は一気に逆方向に向かうだろう。偉大な仕事をしている私をいったい誰が弾劾できるだろうか」
("Trump: Impeach me and the market crashes," Pete Kasperowicz. 8/23/2018. Washington Examiner)

 確かに、トランプ政権が取り組む大企業優先の税制改革や富裕層優遇措置などのおかげで、景気も雇用も目下のところ好調です。トランプ政権の支持率が40%前半を保つ要因になっています。「経済のトランプ」こそが、ありとあらゆるトランプ批判や弾劾の動きを阻止するための切り札です。それを今回、改めて持ち出したのはやはり危機感の表れだと思います。
("President Trump Job Approval," 8/23/2018, Real Clear Politics)
("National Unemployment Rate at 3.9% Through July 2018." NCSL, 8/3/2018)

 トランプ氏が強気でいられるもう一つの理由は、21日以降に行われた世論調査を見ても、中間選挙予想に劇的な変化がないことです。民主党はこの点を重視して、「トランプ弾劾要求」を前面に出さないよう同党候補者に指示しました。

 ナンシー・ペローシ同党下院院内総務は「弾劾を優先議題にはしない。これを争点にすれば、共和党支持でも民主党支持でもない無党派(Independent)の中の「トランプ支持」票が民主党から離れる。有権者に訴えるのは市民生活に身近な雇用とヘルスケアだ」と述べています。