サンダースが副大統領になる可能性

民主党全国党大会は7月18~21日までフィアディルフィアで、共和党大会は7月25~28日までクリーブランドでそれぞれ開かれますね。

高濱:クリントン氏とトランプ氏にとって、11月8日の本選挙までの約150日は二つのステージに分けられます。第一ステージは、それぞれが党大統領候補に正式に指名される全国党大会までの約50日間。第二ステージは党大会から11月8日の本選挙までの約100日です。

 第一ステージにクリントン氏がやらねばならない最大の仕事は、撤退を拒否しているバーニー・サンダース上院議員(74)を説得して候補者から降りてもらうこと。そして出来るだけ早期に党内一致結束体制を確立したいところです。

 指名を事実上獲得したとはいえ、同じ党の候補者に連日、自分を批判する発言をされるのは、クリントン氏にとって厄介です。反論せざるを得ませんが、すればするほど党内の亀裂が深まってしまう。トランプ氏との一騎打ちに注がねばならないエネルギーが削がれてしまいます。

 6月7日に6州予備選・党員集会が終わったあとも、サンダース氏は最後まで戦うと息巻いています。全く撤退する気はなさそうです。

 サンダース氏に降りてもらうため、クリントン氏はなんらかの条件を出さねばならないでしょう。可能性の一つはサンダース氏を処遇面で優遇すること。クリントン氏の周辺では「サンダース副大統領起用説」がまことしやかに流れているそうです。

 サンダース氏は5月29日、副大統領候補を受け入れる可能性があるかをテレビ・インタビューでただされて、こう答えています。「今、私の頭は民主党大統領候補の指名を勝ち取ることでいっぱいだ。そのあとどうなるか、わからない」。

 インタビューアーはこう応じました。「典型な政治家の発言だ。それで十分だ。あなたはその(副大統領候補を受け入れる)可能性を否定していない」
("Bernie Sanders Is Sounding A lot Like A Guy Who May Want To Be Vice preesident," Jason Easley, politicalusa.com., 5/29/2016)

トランプにとっての「時の氏神」は誰か

 一方のトランプ氏はクリントン批判のオクターブを一気に上げたいところです。が、それよりもなによりも党大会前にどうしてもやらなければならない最優先課題は、党内エスタブリッシュメント(保守本流)との和解にメドをつけることです。

 全国党大会を取り仕切るポール・ライアン下院議長の支持は取り付けました。しかし前々回の大統領選で共和党大統領候補に指名されたジョン・マケイン上院議員や、前回の候補となったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事のほか、ブッシュ一家が党大会欠席を早々と決めています。トランプを指名する党大会なんかには出られるか、というわけです。

 政治的、道義的、個人的理由からトランプ氏を忌避する共和党員はこうした大物だけではなさそうです。そっぽを向いている共和党の大幹部たちとどうやったら和解できるのか。誰が仲介役になってくれるのか、トランプ氏にとっての「時の氏神」は誰なのか、注目されます。