この握手の後、はたして機密情報は漏洩されたのか(提供:Russia Foreign Minister Press Ofice/Abaca/アフロ)

米メディアがトランプ大統領をめぐる疑惑を相次いで報道していますね。

高濱:米連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任、大統領執務室での録音疑惑が5月初旬から続きました(関連記事「FBI長官解任劇と米大統領執務室の録音疑惑」)。15日には機密性の高い情報(classified information)*をロシア外相に漏えいした疑惑、16日にはFBI長官に捜査中止を命令した疑惑が発覚しています。
*:classified informationは機密性の高い情報を指す。米国ではこれをstrictly confidential(極秘)とconfidential(機密)などに区分する。極秘はいわゆるトップシークレットだ。今回のケースではclassified informationと報道されており、区分は明らかになっていない。

 15日と16日に判明した疑惑をすっぱ抜いたのは、米ワシントン・ポストと米ニューヨーク・タイムズ。トランプ大統領が敵対視してきた中道リベラル派の主要紙です。

 もっとも、保守系の米ニューヨーク・デイリー・ニューズまでが、16日付1面に「Leaker of the Free World」(自由主義世界の漏洩犯)という大見出しを掲げてトランプ大統領の「裏切り行為」をなじっています。同大統領の支持率は今や55.0%と危険水域にまで落ち込みました。

イスラエル発の機密性の高い情報をロシア外相に提供

 まず、トランプ大統領自身が機密性の高い情報を漏洩した疑惑の話からしましょう。

 同大統領がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相との会談(5月10日)の席上で、「某同盟国」の情報機関から入手した機密性の高い情報を漏らしたというものです。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦に関する情報と言われています。

 会談には、ロシアのセルゲイ・キスキャック駐米大使も同席していました。外国の外相が米国の大統領に会うのですから、その国の駐米大使が同席するのは当たり前です。しかし、同大使は今や、「ロシア・コネクション」疑惑における「火中の人」になっています。

 米大統領が同盟国でもないロシアの外相に「某同盟国」から得た機密情報を流すのも大問題ですが、大統領と外国要人との会談内容が会談の5日後にメディアに流れるなんて…。こちらも前代未聞の事態です。情報源は、会談議事録を入手できる米情報機関に属する人物と見られています。

 トランプ政権、とくに情報機関に「内部告発者」がいる事実が明らかになったわけで、同政権の脆弱ぶりを改めて露呈したことになります。
("Trump revealed highly classified information to Russian foreign minister and ambassador," Greg Miller & Greg Jaffe, Washington Post, 5/15/2017)