トランプ大統領が目の敵にしてきた主要メディアの雄、ニューヨーク・タイムズは、ここぞとばかりに疑惑の徹底究明を求めています(5月11日付け社説)。

 「トランプ大統領は、多くの疑問点があるにもかかわらず、トランプ政権とロシアとの関係を取りざたするのは『完全ないたずら』(total hoax)だと主張している」

 「これまでに指摘されている具体的な疑問点は以下の通りだ。①トランプ・ファミリーのロシア関連ビジネス。②以下の人物たちとロシアとの関係――マイケル・フリン元大統領国家安全保障担当補佐官、ジェフ・セッションズ司法長官、ポール・マナフォート前トランプ選挙対策委員長、カーター・ページ外交政策顧問、ロジャー・ストーン氏(非公式な相談役)。FBI当局はこれらの人物について徹底的に調査する責務がある。米国民は真実を知る権利がある」
("The Trump-Russia Nexus," Editorial Board, New York Times, 5/11/2017)

 上下両院の情報委員会は、FBI関係者を召喚して「ロシア・コネクション」の実態調査を引き続き続ける予定です。

トランプ大統領の一連の言動について、共和党支持者の間でも厳しい意見が出始めているようですね。

高濱:マック・ブーツ外交問題評議会 上級研究員は、ウォーターゲート事件当時のことを思い起こして共和党議員たちに次のように呼びかけています。同氏は、ジョン・マケイン上院議員やマルコ・ルビオ上院議員の外交政策アドバイザーをかって務めた生粋の共和党良識派エリートです。

 「共和党は小さな政府、自由貿易主義、伝統的なアメリカの価値観、道義に基づいた外交政策、米国憲法を重んずる政党であり続けた。ところが今ホワイトハウスで政治を司る御仁のやっていることはことごとくこれに反している」

 「74年、下院司法委員会に所属する6人の共和党議員は、21人の民主党議員に賛同してニクソン大統領の弾劾決議案に賛成票を投じた。その年、ベリー・ゴールドウォーター上院議員、ヒュー・スコット上院共和党院内総務、ジョン・ローズ下院共和党院内総務の3人はホワイトハウスに押しかけ、もうこれ以上は守り切れないとニクソン大統領に最後通告を突きつけた。この3人のように、党に対する忠誠心よりも党に対する献身的な愛情を重んじる者が今の共和党にはいないのだろうか」
("When Will Republicans Stand Up to Trump?" Max Boot, New York Times, 5/12/2017)

 トランプ大統領は、「捜査対象に入っていない」との証言をコミー氏から3回にわたって得ていると豪語しています。そうなのになぜ、「ロシア・コネクション」疑惑解明に全力投球してきたコミー氏を解任したのか。

 きしくも録音装置の存在まで仄めかして「サタディ・ナイト・マサカー」を思い出させ、ウォーターゲートならぬ「トランプゲート」の様相を呈してきました。トランプ大統領の出方次第では、疑惑解明の火の手はさらに燃え上がりそうです。トランプ城の本丸にまで迫る勢いです。