今回のトランプ発言について同議員にコメントを求めていますが、まだ回答を得ていません。

 トランプ発言が一般大衆に受けている点に注目するジャーナリストもいます。外交誌「ワールド・ポリティクス・レビュー」の編集主幹、ジュダ・グルンスタイン氏はこう指摘しています。「トランプ氏のド素人のような外交政策を批判するのは簡単だ。だが、同氏の言っていることが一般大衆に大いに受けているセンチメントは無視できないし、そのセンチメントはそう簡単に消え去るものではない」。

 「トランプ氏の主張していることは、彼のスローガンである『米国を再び偉大な国家にする』ことにつながらない。むしろ米国の衰退を加速させるだけだ。他方、トランプ発言やそれを支持する米一般大衆の高まりを見て、同盟諸国がある日、ある時、対米依存に代わる選択肢としてより信頼のおけるパートナーを見つける可能性を憂慮する識者もいる」
("Criticize Trump's Worldview for Its Weaknesses, but Take It Seriously," Judah Grunstein, worldpoliticsreview.com., 4/4/2016)

 ウィスコンシン州予備選までにトランプ支持の共和党員・支持者によってえらばれた代議員の数は743人です。これは共和党全代議員数の30%を占めています。この人たちすべてが、日本に関するトランプ氏の発言に同調しているとは思いません。

 なぜなら、この人たちのほとんどは、日米安全保障体制がどういうもので、どのように機能しているのか知らないからです。ましてや集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法が3月29日に施行されたことなど全く知らないでしょう。

 それゆえ「日本が攻撃を受けた時に米軍は支援にかけつけるのに、米国が攻撃を受けた時に日本は助けに来ないのはアンフェアだ」とトランプ氏から聞けば「その通りだ」と手をたたくのです。戦略論ではなく、感情論です。

 つまり米政府当局者や外交・安全保障専門の学者やジャーナリストと、トランプ氏に票を投じた共和党支持者との間には大きな認識のギャップがあるのです。