ロシアゲートの捜査指揮官が次期国務長官に

後任には共和党タカ派と言われるマイク・ポンぺオ米中央情報局(CIA)長官が指名されました。米国の外交政策、中でも対北朝鮮政策に影響が出るのでしょうか。

高濱:ポンぺオ氏はカリフォルニア州オレンジ郡出身の54歳。ウエストポイント(米陸軍士官学校)を出て陸軍に入隊し、湾岸戦争に参加しています。除隊後、ハーバード大学法科大学院を出たのち、ウエストポイントの時の同級生と飛行機装備品会社を設立。2010年に下院選に出馬するまで油田採掘機械メーカーの社長を務めていました。この会社は保守派億万長者のコーク兄弟がパートナーになっています。

 政治理念や外交政策全般においてトランプ氏と極めて近い考え方をしており、それだけにトランプ氏への影響力は大きいでしょう。下院では情報特別委員会やエネルギー商業委員会の委員でした。CIA長官として、トランプ氏の側近たちとロシア政府当局者との関係を調査する「対敵情報活動センター」を直接指揮していました。

 外交政策では、イラン核合意に真っ向から反対しています。ただし、ロシアのクリミア半島編入やウクライナ東部への侵攻にも批判的でした。

 北朝鮮問題についてポンぺオ氏はこれまで発言を控えてきています。ただし、米朝首脳会談について慎重だったティラーソン氏に比べると、トランプ氏の「大博打」を側面から支援することになるでしょう。

 ポンぺオ氏の起用について「トランプ大統領が外交政策を進める上で断行した“新品への買い替え”」と指摘する向きもあります。

("Pompeo's Promise at State," The Editorial Board, Wall Street Journal," 3/13/2018)

 ティラーソン氏はどちらかというと外交の素人。国務省の組織解体を指揮し、ベテラン外交官を何十人も辞めさせました。駐韓国大使をはじめとする大使は未だに空席のまま。人柄はよかったのですが、国務長官として及第点は付けられそうにありません。

 一方のポンぺオ氏は、トランプ氏と仲が良く、軍人、実業家、下院議員を経験したオールラウンドプレーヤーです。トランプ氏に何でも言える点を評価し、新国務長官に期待する向きも少なくありません。

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