トランプの勝因は草の根「一揆」

トランプ氏が圧勝した要因は何ですか。

高濱:勝因は3つあります。

 一つは、共和党エスタブリッシュメントに対する一般党員・支持者の「草の根一揆」です。アイオワ州、ニューハンプシャー州といった予備選緒戦で、この「一揆」は成果を上げました。アイオワ州ではクルーズ氏が勝ち、ニューハンプシャー州ではトランプ氏が勝ったからです。

 そもそも共和党エスタブリッシュメントというのは何でしょう。一口で言うと、上下両院共和党首脳部をはじめとする連邦議会議員や州知事、地方議会議員、財界、経済界、メディアを牛耳っている人たちを指します。今まで共和党を動かしてきた人たちです。

 これに対して、「今まで共和党がやってきたことはうまくいかなかったじゃないか」と言い出しているのが、草の根保守派の人たちです。急先鋒は、「ティーパーティー」(茶会)や「エバンジェリカルズ」(キリスト教原理主義者)です。こうしたグループの主張に共鳴した「ソーシャル・コンサーバティブ」(社会的保守主義者)や「モラル・コンサーバティブ」(倫理的保守主義者)が今「一揆」に加わっているといえます。大半は白人不満分子です。彼らがアイオワ州でもニューハンプシャー州でもトランプ氏に票を投ずることでエスタブリッシュメントに反旗を翻したのです。

クルーズの敗因はエバンジェリカルズ依存

高濱:2つ目の勝因は、州の事情です。アイオワ州とニューハンプシャー州の大きな違いは、共和党員・支持者に占めるエバンジェリカルズの割合でした。

 クルーズ氏、ビル・カーソン元外科医などはエバンジェリカルズ票を頼りにしてきました。

 エバンジェリカルズが占める割合はアイオワ州は36%ですが、ニューハンプシャー州は22%です。この票田だけを頼りにクルーズ氏が連勝するのは元々無理でした。