「中国は、米軍が万一、台湾や南シナ海・東シナ海における紛争に軍事介入すれば、米中戦争となる。そして米軍は空母を失い、多くの米兵が犠牲になるというシナリオを描いている。冷戦終結以後、こんなシナリオを米国が突き付けられたのは初めてだ」

 「これに対抗するために米国は『JAM-GC』(Joint Concept for Access and Maneuver in Global Commons=国際公共財におけるアクセスと機動のための統合構想)*を策定した。ところが策定後2年たったものの、詳細は決まっていない」

("How Donald Trump Can make the Pivot to Asia Great Again," Harry J. Kazianis, The National Interest, 11/14/2016)

*:『JAM-GC』とは中国の『接近阻止・領域拒否』作戦構想に対応し、陸海空・宇宙・サイバー空間のすべての作戦領域において四軍部隊の能力を統合するための作戦構想。2015年1月まで『エアシー・バトル』(Air-Sea Battle)作戦構想と呼ばれていた。

そうなれば、西太平洋を舞台に米中が軍事対決する可能性が出てくるということですか。

高濱:トランプ政権としては、無論そこまではいかない手前のところで、中国に脅しをかけることになるのでしょう。ただし、中国がどう出るか。いずれにしても「西太平洋波高し」という事態が皆無とは言えません。

 国務省OBの一人が今年送ってくれた年賀Eメールには葛飾北斎の「富嶽百景 神奈川沖浪裏」が添付されていて、「今年の西太平洋は米中対決の巨大な波に翻弄される」と書かれていました。