仕事以外の時間を充実させるためプレミアムフライデーにイベント開催

ああ、それは耳が痛いですね。私も大いに反省する必要があります。

三輪:私自身もこれまでは夜間や休日にメールを送ってしまうことがあったと反省しています。もちろん緊急の連絡等の例外はありますが、時間指定での送信機能を使ったり、月曜日に改めて内容を再確認してから送信するなど、上司側から気をつけるだけで部署全体の仕事の個人生活のメリハリは大きく変わると実感しています。

柔軟な働き方の推進についてはいかがでしょうか。

三輪:以前から「タイム&ロケーションフリーワーク」をキーワードに掲げ、在宅勤務もかなり幅広い従業員を対象に、時間や回数の制限なく使える制度を設けていました。ただ実際は習慣を変えるのが難しいのか、みんな会社に来てしまっていた。遠隔で会議に参加できるシステムも導入していましたが、必要なヘッドセットがなくてできないというケースもけっこうありました。

 そこで、この春からヘッドセットを全従業員に配布し、本社の人財部門ではトライアルとして週に1回必ず在宅勤務を実施することとしました。自分たちがまずは在宅で働き、リモート会議もやってみることで、利用の推進に何が必要か身をもって体験することができました。

何か改善点は見つかりましたか。

三輪:むしろ在宅ワークのいい点に気づきました。リモート会議では、お互いは直接顔を合わせない分、「今日の会議のゴールは〇〇です」「今日の決定事項は〇〇で、積み残しは〇〇、ここは〇〇さんが持ち帰って次回までに確認しておく」といったオープニングとクロージングを、自然といつも以上にしっかりやるようになりました。

 働き方改革の肝は、上司が率先垂範してやることと、部下が在宅勤務をしたいと言ったときにいやな顔をせず、むしろ「いいね」とすすめること。これまでは使いづらい雰囲気もあったのだと思いますが、それも社長主導の改革によって、だいぶ変わりつつあります。

 あとは「業務改革」「健康経営の実現」も改革の柱です。自社のサービスでもある「EXアプローチ」という手法を使い、特に時間外労働の多い職場を120ほど選んで業務プロセスの見える化と整理を行っています。また、会議コストを可視化するソフトを研究しているチームもいます。

 これらの施策は社長をプロジェクトリーダーとして実施し、半年に1回は社長が出席する場で進捗を報告しています。

最後に、働きがいをどう作るかということについてはいかがでしょうか。働き方改革は「働きやすさ」を推進しますが、本当に生産性を上げるには、働きがいを高めることも重要と専門家は指摘しています。

三輪:日立の働き方改革の中では、単に働く時間を短くするだけでなく、働き方改革で時間ができて外に出る時間が増えることで新たな経験が増え、今まで気づかなかった視点が持てるようになる。それを仕事にも生かしてもらえるとよい循環が生まれるのではないかと期待しています。

 たとえば仕事以外の時間を充実させることを目的とした取り組みとして、本社地区ではプレミアムフライデーにさまざまなイベントを企画していて、8月はスターバックスコーヒーから講師を招いてコーヒー講座を開きました。このように社員の皆さんには働き方改革でできた時間を自分のために有効に使ってほしいと思います。私の場合は、大学生の娘と一緒に今度TOEICを受けに行きます。私は入社以来ずっと国内勤務でしたが、2011年から4年間、初めての海外勤務となるインド駐在を契機に英語を勉強し直しました。しかし、なにぶん年を取ってからのことなのでどんどん忘れてしまうんですよ。今回の試験には父親の威厳がかかっています。

プレミアムフライデーにはさまざまなイベント開催。8月はスターバックスコーヒーから講師を招きコーヒー講座を開いた
プレミアムフライデーにはさまざまなイベント開催。8月はスターバックスコーヒーから講師を招きコーヒー講座を開いた

日経BP総研では、11月14日より「働き方改革フォーラム」を開始します。このフォーラムでは、「働き方改革自己診断プログラム」や「従業員意識調査」を実施し、自社の課題を明らかにします。月12回の先進事例研究会で先進企業の戦略と施策を共有し、自社に最も効果的なKP設定や行動計画が策定できるように支援します。先進事例研究会には、日立システムズの北原央取締役も登壇いたします。働き方改革を企業の成長に結びつけるための1年間の実践的なプログラムです。資料請求はこちらから