2014年には「トリクルダウン」

 2014年にノミネートされたのも50語<■図2>。年間大賞は「ダメよ~ダメダメ」「集団的自衛権」の2つ。それらの他にトップテンに入ったのは、「ありのままで」「カープ女子」「壁ドン」「危険ドラッグ」「ごきげんよう」「マタハラ」「妖怪ウォッチ」「レジェンド」。早くもこの年に「カープ女子」が注目されていたわけだ。

■図2:2014年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた言葉
ノミネートされた50語 うちマーケットに直接関係するもの うちアベノミクスに直接関連しているもの
輝く女性/STAP細胞はあります/バックビルディング/まさ土/トリクルダウン/デング熱/ダメよ~ダメダメ/2025年問題/危険ドラッグ/アイス・バケツ・チャレンジ/家事ハラ/マタハラ/ありのままで/レリゴー/こぴっと/ごきげんよう/リトル本田/J婚/ゴーストライター/タモロス/マイルドヤンキー/リベンジポルノ/JKビジネス/絶景/レジェンド/ゆづ/妖怪ウォッチ/塩対応/マウンティング(女子)/こじらせ女子/女装子/号泣会見/セクハラやじ/集団的自衛権/限定容認/積極的平和主義/勝てない相手はもういない/カープ女子/ワンオペ/ハーフハーフ/消滅可能性都市/壁ドン/ミドリムシ/壊憲記念日/イスラム国/雨傘革命/昼顔/塩レモン/ビットコイン/エボラ出血熱 n.a.      トリクルダウン     
n.a.=該当なし  (出所)「現代用語の基礎知識」資料より筆者作成

2015年の大賞は「爆買い」

 2015年も50語がノミネートされた<■図3>。年間大賞は「爆買い」「トリプルスリー」の2つ。それらの他にトップテンに入ったのは、「アベ政治を許さない」「安心して下さい、穿いてますよ。」「一億総活躍社会」「エンブレム」「五郎丸(ポーズ)」「SEALDs」「ドローン」「まいにち、修造!」である。

■図3:2015年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされた言葉
ノミネートされた50語 うちマーケットに直接関係するもの うちアベノミクスに直接関連しているもの
爆買い/インバウンド/刀剣女子/ラブライバー/アゴクイ/ドラゲナイ/プロ彼女/ラッスンゴレライ/あったかいんだから/はい、論破!/安心して下さい、穿いてますよ。/福山ロス(ましゃロス)/まいにち、修造!/火花/結果にコミットする/五郎丸(ポーズ)/トリプルスリー/一億総活躍社会/エンブレム/上級国民/白紙撤回/I AM KENJI/I am not ABE/粛々と/切れ目のない対応/存立危機事態/駆けつけ警護/国民の理解が深まっていない/レッテル貼り/テロに屈しない/早く質問しろよ/アベ政治を許さない/戦争法案/自民党、感じ悪いよね/シールズ(SEALDs)/とりま、廃案/大阪都構想/マイナンバー/下流老人/チャレンジ/オワハラ/スーパームーン/北陸新幹線/ドローン/ミニマリスト/ルーティン/モラハラ/フレネミー/サードウェーブコーヒー/おにぎらず n.a.      爆買い/インバウンド/一億総活躍社会/マイナンバー     
n.a.=該当なし  (出所)「現代用語の基礎知識」資料より筆者作成

「アベノミクス」への関心は2013年、最高潮に

 以上に考察を加えてみよう。すでに述べたように2012年12月に正式スタートした「アベノミクス」は、翌2013年には国民に強い印象と景気回復への期待感を与えることになり、同年の「新語・流行語大賞」の候補には「3本の矢」に代表される関連用語が複数入った。この経済政策を批判した浜矩子・同志社大学大学院教授の造語である「アホノミクス」も入ったことは、「3本の矢」というキャッチフレーズで展開された新たな経済政策の動きに対し、国民の関心がいかに高まったかを如実に示している。そして、ベストテンの1つに「アベノミクス」という言葉そのものが選ばれた。同時に、安倍内閣が展開した外交・安全保障の関連で、「特定秘密保護法」もトップテンに入ったことに気付かされる。

2014年は経済政策より、外交・安全保障に関心

 次の2014年に安倍内閣の動きでもっぱら関心が集まったのは、経済政策ではなく外交・安全保障だった。そのことは、同年の「新語・流行語大賞」からはっきり読み取れる。年間大賞の1つになったのは、ずばり「集団的自衛権」。ノミネートされた言葉の中には、それに関連する「限定容認」「積極的平和主義」などが入った。「アベノミクス」関連用語でノミネートされたのは「トリクルダウン」だけだった(実際にはこれがなかなか起こらないわけだが)。

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