同じ3日にロイター通信が配信したインタビューでも、カプラン総裁は利上げ休止に前向きなコメントを発した。その中には、「19年半ばまでに経済は現在とかなり異なる状況になる可能性が非常に高いとの見解に同意している。このことからFRBは行動に慎重になるのが賢明だ」というくだりがあった。

 19年にかけての世界の経済・マーケット動向の中心軸にあり最もウォッチすべきは、言うまでもなく、世界最大の経済大国である米国の経済および金融政策の行方である。

 米国の景気は減速(スローダウン)が徐々に明確になり、FRBの利上げは19年3月に休止されるだろう。四半期ごとの利上げというパターンが崩されて、スキップされるということである。

19年3月?利上げ休止を予期する市場とホワイトハウス

 景気が減速していても腰折れはなさそうだと判断されれば、6月の利上げ再開があり得るものの、その後は経済にとって引き締め的でも緩和的でもない、いわゆる「中立水準」に政策金利がほぼ到達したとFRBは判断して利上げ局面は終了とし、そのまま長期様子見姿勢に転じるのではないか。そのようなシナリオを筆者は描いている。

 12月7日に発表された米11月の雇用統計は、12月の追加利上げを後押しするしっかりした内容になったものの、子細に見れば、非農業部門雇用者数(前月差)の6カ月移動平均が久しぶりに+20万人を下回るという、米景気の減速を示唆する動きもあった。

 この日はFRBの内外からさまざまな発言が出てきたのだが、筆者が最も印象的だったのは、クドローNEC(国家経済会議)委員長がブルームバーグテレビで語った内容である。

 「当局(FRB)から送られているシグナルは、今月何らかの行動を起こすかもしれないが、その後は多分かなりの期間において何もしないというものだと私は考えている」と述べたクドロー委員長は、「私のボスであるトランプ氏もだいたい私の考えと一致している」と付け加えた。金融市場だけでなくホワイトハウスも、19年入り後のFRBによる利上げ休止を予期しているようである。

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