予測不可能な、2つの国の指導者。(写真:写真:AFP/アフロ)

マーケットで影の薄くなった「北朝鮮情勢」

 マーケットでは最近、北朝鮮情勢の影がすっかり薄くなっている。11月29日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を久しぶりに発射した際も、市場参加者の反応はごくわずか。米国では議会での税制改革法案の審議動向の方がはるかに大きな関心事で、翌30日のウォールストリートジャーナル1面の紙面構成もそのようになっていた。日本の新聞は米国本土まで届き得る射程距離があるとみられるICBM「火星15」発射を1面トップでこぞって報じたが、東京株式市場で日経平均株価は29日も30日も堅調に推移した。

 11月29日に「火星15」を発射するまで約2カ月半も挑発行動をとらなかった北朝鮮は、米国との間で外交交渉を開始することを強く望んでいるように見える。

 それは、核・ミサイル開発がゴールに近づいて交渉に応じる態勢ができたこともあるが、より直接的には首都平壌におけるガソリン不足など、国連安保理で決議されたものを中心とする経済制裁の効果がじわり出てきたからだろう。また、トランプ米大統領による度重なる脅しのメッセージ発信が、予測不可能な言動をとりがちなこの人物による「まさか」的なケース発生への警戒感につながった面もあるかもしれない。