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 総資産規模は、FRBが減少、ECBが年末で増加停止、日銀は増加ペース鈍化となっており、やや強引に計算すると、3中銀合算の総資産額は、足元では前年同月比+1.0%程度まで増加ペースが落ちている。そして19年にはいずれかの時点で減少に転じる可能性が高い。

 このように市場が「カネ余り相場の宴」の終焉(しゅうえん)をいやでも意識せざるを得なくなる中で、ハイテク株および原油先物の「ミニバブル」がすでに崩壊した。社債やローンの市場でも、リスクを回避しようとする動きが目立っている。この先、金融市場はもっと大きな動揺をきたすのではないか。筆者はそうした警戒感を、強く抱いている。

 金融市場の動揺と同時並行的あるいは相乗的に進んでいるのが、世界経済の減速である。IMF(国際通貨基金)は10月、世界経済の成長率見通しを2年3カ月ぶりに下方修正した。

 OECD(経済協力開発機構)が11月12日に発表した9月の総合先行指数(CLI)は、OECD加盟国で引き続き「経済成長のモメンタムが弱まっている(Easing growth momentum)」ことを示すものになった。

 9月のOECD全体のCLI(長期平均=100)は99.5で、データベースで入手できる細かい数字で比較すると(以下同様)、10カ月続けて低下した。CLIは、6~9カ月先における経済活動のトレンドからの転換点を予測する指標である。

世界経済全体がスローダウンへ

 先進国・地域のうちで経済成長のモメンタムの弱まりが最も目立つのは、ユーロ圏である<図2>。

図2:OECD総合先行指数 米国・ユーロ圏・日本
(出所)OECD

 9月のCLIは99.6で、10カ月連続の低下。基調判断は「経済成長のモメンタムが弱まっている」になっている。国別ではドイツ、フランス、イタリアがいずれも低下中。ちなみに、ユーロ圏の外にあるが、英国でもCLIは下がってきている。

 米国の9月のCLIは99.9。小数点第1位までの左記の数字に従えば前月比横ばいで、基調判断は「経済成長のモメンタムは安定的(Stable growth momentum)」になっている。だが、細かい数字をとると、6カ月連続の低下である。

 日本の9月のCLIは99.7で、かなり緩やかな動き方ではあるが、実は11カ月連続で低下中。基調判断は米国と同じ「経済成長のモメンタムは安定的」である。

 日米(およびカナダ)に関する「経済成長のモメンタムは安定的」という9月分発表時点での基調判断が、仮にこの先下方修正されるようだと、世界経済全体のスローダウンがますます明確になる。

 その後、11月21日にはOECDも、世界経済の成長率見通しを下方修正した。

 11月14日には、日本の7-9月期GDP1次速報で実質GDPが前期比▲0.3%・同年率▲1.2%になり、今年に入ってからでは1-3月期に続いてのマイナス成長になった。豪雨・台風・地震という規模の大きい自然災害が相次いだことが主因だが、米国の利上げや米中貿易戦争などを背景とするグローバルな景気減速に伴う輸出の悪化という要素も含まれた数字だと考えられる。