教育分野への投資が重要なのは異論はないが、「無償化」より待機児童問題の解消を早くしてほしいと言う切実な声も。(写真:PIXTA)

子育て世帯への支援の大枠が固まったけれど…

 マスコミ各社の報道によると、安倍首相が打ち出そうとしている2兆円規模の「人づくり政策」のうち、子育て世帯への支援の大枠が固まった。

 8%から10%への消費税率引き上げによる増収分のうち約8000億円を充てて、幼児教育・保育の無償化を行う。具体的には、①3~5歳児を保育所や幼稚園に預ける費用を、全世帯について原則として全額補助(無償化)する(所得制限なし。認可外保育所の場合は認可保育所の平均保育料である月3万5000円支給を検討、幼稚園の場合は国が定める公定価格上限の月2万5700円を支給する)、②0~2歳児を保育所に預ける費用を、住民税が非課税の低所得世帯について原則として全額補助(無償化)する。

 また、約8000億円を充てて、大学や専修学校など高等教育の無償化を行う。具体的には、住民税非課税の低所得世帯を対象に授業料を減免するほか、返済義務のない給付型奨学金を拡充して生活費も支援する。非課税世帯に近い低所得世帯向けにも給付型奨学金を拡充する。

 以上のほか、企業の新たな拠出金(年3000億円)を財源にして保育施設整備(20年度末までに32万人分)を行うなど、いくつかの施策がパッケージに含まれる見込み。

 上記のうち、幼児教育・保育の無償化がこのまま実現すれば、金銭面で助かる家庭が存在することは事実である。しかし、少し考えてみれば、この政策には問題点がいくつも伴うことがわかるだろう。