2016年5月、独ベルリンで日独首脳会談をした折の安倍晋三首相とドイツのメルケル首相。日本がドイツから学ぶべきことはたくさんある。(写真:picture alliance/アフロ)

人口減少や少子高齢化のニュースに慣れてしまった日本人

 半年ほど前の話になるが、5月5日の「こどもの日」の前日に総務省はこども(15歳未満)の人口推計結果(2016年4月1日現在)を発表し、これを新聞各紙が5日の朝刊で報じた。2016年の数字は1605万人(前年比▲15万人)。1982年から35年連続の減少で、比較可能な1950年以降の最少を更新した。総人口に占めるこどもの比率は12.6%(同▲0.1%ポイント)で、こちらはなんと42年連続の低下である。ドイツを下回り、主要国の中で最も低い水準になってしまった。

 毎年こうしたニュースが流れてくるため、人々は目新しさを感じなくなり、悪い意味で慣れてしまっているのではないだろうか。半ば無感覚になり危機感が出にくくなっているように、筆者には見える。

 その後、総務省は10月26日に、2015年に実施された国勢調査の確定値を公表した。総人口(日本に住んでいる外国人を含む)は10月1日時点で1億2709万4745人となり、5年前の前回調査から約96万人減少。国勢調査としては1920年の調査開始以来、初めて減少に転じた。年齢別の内訳では、75歳以上が1612万人になり、14歳以下の子ども(1588万人)を初めて上回るという、日本の歴史上で分岐点となるに違いない変化があった。

 日本経済新聞の翌10月27日朝刊の記事は、今回の国勢調査の結果が日本人に突きつけている諸問題を、的確に指摘していた。筆者のコメントを交えつつ、概観してみよう。

人口減により日本経済は「地盤沈下」しつつある

 2010年の前回国勢調査で初めて減少に転じた日本人に限った人口は、今回1億2428万人となり、107万人減少した。出生数が死亡数を下回る自然減が原因。一方、外国人労働者の増加などで日本に在住する外国人は10万人増の175万人と過去最高を更新した。しかし、107万人減少する中で、その10分の1未満の10万人しか「穴埋め」がなされていないというのだから、実に深刻な事態である。人口面から日本経済は着実に「地盤沈下」しつつある。

 総人口の世界での順位は10位で、5年前から変わらなかった。だが、11位のメキシコと数はほぼ並んだ。ベストテンから陥落寸前である。しかも、2010年から2015年までに人口が減ったのは、上位20カ国では日本だけだった。

 75歳以上の人口は1985年時点では471万人だったが、30年間で3.4倍に増加した。同じ期間に14歳以下は4割減っており、少子高齢化に歯止めがかからない。14歳以下の人口割合は12.6%になった。日本と同様に少子高齢化が問題化しているイタリア(13.7%)やドイツ(12.9%)を下回って、世界最低水準まで低下している。