減額どころか、逆に増額論が出てきかねない?

 なお、日銀はこのレポートで、米国や欧州の株価が割高な水準になっていることを警戒的に見ており、「先行きについては、グローバルな資金フローや資産価格に巻き戻しの動きが生じ、それが国際金融市場全体に影響を与えることがないか注視していく必要がある」「今後、特定のセクターの株価下落などをきっかけに、全面的な資産価格の巻き戻しの動きにつながることがないか、注視していく必要がある」と明記している。

 仮に、そうした巻き戻しが発生して「世界同時株安」に日本も巻き込まれる場合には、日銀のETF買い入れの減額どころか、逆に増額論が出てきかねない。

 このようにいろいろ考えてみると、日銀がETF買い入れを減額したり取りやめたりするのが現実問題としていかに難しいかがわかる。

 実際、ある日銀幹部による「審議委員全員が日本株はバブルだと認識しない限り、物価が2%上昇しないままにETFの購入金額を減らすのは難しい」という、かなり衝撃的なコメントも報じられている(11月1日 日経QUICKニュース)。

見直しの機会は、来年4月末の金融政策決定会合か

 筆者は、現任の総裁・副総裁の任期が満了した後、新体制で仕切り直しとなる2018年4月の26、27日の金融政策決定会合が、ETF買い入れに見直しがかかる機会になると予想してきている。

 だが、観測報道が多数出ている通りに黒田総裁が再任される場合には、金融政策運営の継続性が前面に強く出されるはずであり、10月31日の記者会見などで説明したETF買い入れについての見解を急に変えるわけにはいかないだろう。

 結局、ETF買い入れについて近い将来に見直しがかかるとすれば、それは金額規模ではなく、買い入れのテクニカルな面にとどまると予想される。

 7月18日に米ブルームバーグ通信が配信した「日銀内でETF買い入れの持続可能性に懸念の声広がる-関係者」と題した記事に含まれていた次の文章が、予想されるテクニカルな修正の根幹部分を言い当てているように思われる。

どのような形で終息し「後始末」が行われるのかは不透明

 「複数の関係者によると、ETF購入は2%物価目標の早期実現のため必要な措置との認識から、将来的に見直す場合でも技術的な対応にとどめ、現行の買い入れ額を減らす可能性は低い。具体的には昨年9月と同様、株価水準が高い一部の銘柄に影響を受けやすい日経平均連動型ETFの買い入れを減らし、TOPIX連動型を増やすことが選択肢の一つとして挙がっている」

 終わりの見えない日銀の大規模な金融緩和。株式市場を対象にしたETF買い入れというパーツの緩和手段についても、それがどのような形で終息し、その後どのような形で「後始末」が行われるのかは、現状全く見えてきていない。