TOPIX(東証株価指数)とは、東証市場第一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする株価指数。1968年(昭和43年)1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したもの。(写真:ロイター/アフロ)

好調な株価、その背景にあるもの

 景気の先行指標という位置付けになっている株価が、強い動きとなっている。日経平均株価は10月24日まで16営業日連続で上昇し、過去最長記録を更新した。25日は下落したものの、26日からまた上昇し、27日には約21年ぶりの2万2000円台。11月1日には2万2400円台になった。TOPIX(東証株価指数)は10月24日まで12連騰。11月1日には1780台になった。

 その背景としては、世界的なカネあまり、衆院選の選挙期間中は株価が上がりやすいという経験則、その衆院選での自民党大勝と「アベノミクス」の続行確定、企業業績のさらなる改善期待などが、マスコミ報道で取り上げられる機会が多い。だが、ここで見逃せないのが、日銀による年間約6兆円という大規模なETF(上場投資信託)買いによって株価の下落余地が需給面から狭められているという事実である。

「TOPIX」には人為的な下支えの力が加わっている

 内閣府の景気動向指数で、TOPIXは先行系列に採用されている。景気のサイクルに先行して動く指標として、TOPIXがいわば「公認」されているわけである。

 だが、日銀による事実上の株価下支え策によって、TOPIXには人為的な下支えの力が加わっており、自然体で株価が形成されているわけではない。したがって、TOPIXの水準がこのところ大幅に切り上がっていることは、景気が今後さらに好転していくシグナルであるとは言い難い。要するに、景気先行指標としてのTOPIXの信頼度は低下したと、筆者はみなしている。

 日本企業の売上・収益は、基軸通貨であるドルに対する円相場の水準変動によって左右される面が大きい。むろん、為替リスクを輸出と輸入の両面でとって為替リスクを打ち消す(マリーさせる)など、仮に円高ドル安が急進行しても大きな打撃を受けないような収益体質に変える努力をしてきた企業も多く、昔に比べると日本企業の業績が為替の変動によって振り回される度合いは低下している。だが、基本線は変わっておらず、円高ドル安が進むと株価指数は下がるのが通常である。