「雇用環境」の改善度合いに比べ、伸び悩む「収入」

(2)消費者態度指数「ほぼ横ばい」、「雇用環境」大幅改善でも「収入の増え方」頭打ち

 10月3日に発表された9月の消費動向調査で、消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)は43.9(前月比+0.6ポイント)になった。2か月ぶりの上昇で、今年3月の水準を回復した<■図3>。内閣府は基調判断を「ほぼ横ばいとなっている」に据え置いた。指数は昨年12月以降10か月間にわたり、43台での上下動となっている。

■図3:消費動向調査 消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)
(出所)内閣府

 消費マインドの実情を探る上で注目されるのは、個別の消費者意識指標の動向である。筆者は以前より、「雇用環境」に関する意識の改善度合いに比べ、「収入の増え方」が伸び悩んでいる状況に注目してきた。完全失業率が低下し、有効求人倍率や大学卒業予定者の就職内定率が上昇しても、1人当たり賃金が頭打ちであるのを消費者がしっかり認識していることが、これら2指標の動き方の違いから浮かび上がってくる。

 9月の消費動向調査では、「雇用環境」が47.8(前月比+0.4ポイント)となった。他の消費者意識指標よりも一段高い水準を維持している。これに対し、「収入の増え方」は41.8(同+0.5ポイント)で、42前後の直近レンジ内にとどまった<■図4>。

■図4:消費動向調査 消費者意識指標(同上) 「収入の増え方」「雇用環境」
(出所)内閣府

 なぜ、企業の景況感が絶好調になっても、消費者のマインドがついてこないのだろうか。

 答えは明らかだろう。企業が最高益を更新する中でも1人当たりの収入(賃金)がなかなか増えないことを、消費者は十分に認識し、近い将来の見通しにもしているからである。