非製造業の景況感も、総じて良好

 先進国・新興国そろい踏みの世界同時好況や、日本企業にとって居心地良い水準での為替相場の安定を背景に、米国で住宅バブルが発生していた時期に匹敵するところまで製造業の景況感は改善した。

 非製造業の業況判断DIも、総じて良好である。10月はQUICK短観が+37(前月比▲2ポイント)、ロイター短観が+30(同▲4ポイント)。前月から下がったものの、ともに高い水準をキープしている。

 いわゆるトリクルダウンが起きるとすれば、こうした企業部門の好調さは家計部門にも徐々に波及し、景気や暮らし向きなどに関する消費者のマインドはじわじわ好転してくるはずである。

だが、大半の人に「景気回復の実感がない」

 しかし実際には、先の衆院選で野党側がしきりに指摘していたように、「景気回復の実感がない」と思っている人が多い。大都市圏はまだましだが、ローカルエリアに足を向けると最近でも「アベノミクスによる景気回復めいたものはさっぱり感じられない」という声が聞かれる。

 ここでは、日本の代表的な消費者意識調査である内閣府の消費動向調査から、消費者態度指数の動きをみておきたい。この調査は月次で行われており、調査時点は毎月15日である。消費者態度指数というのは、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の今後半年間の見通しについて、それぞれの5段階評価で得た回答から算出した消費者意識指標4つを単純平均して、消費者態度指数(原数値)を作成。それに季節調整をかけて出来上がったものである。2004年3月調査までは「物価の上がり方」も入っており消費者意識指標は5つだった。物価上昇は賃金の目減りを通じて消費者のマインドを悪化させるからである。だが、「デフレは悪」という大所高所からのコンセプトとのかみ合わせが悪いため、今では外されている。この対応の是非は議論が分かれるところだろう。