企業の景況感は総じて良いのだが、多くの人には景気回復の実感がない 。その理由は…。

製造業の景況感は、さらに改善

 今回は、企業と消費者のマインドに関する最新のデータをチェックしてみたい。企業の景況感について用いるのは、QUICK短観とロイター短観の2つである。

 周知の通り、短観というのは本来、日銀が毎四半期実施している全国企業短期経済観測調査の略称である。しかし、マーケットを中心に、より頻度が高い月次で企業サーベイの結果を知りたいというニーズがある。そこで、情報会社であるQUICKとロイターが日銀短観と同様の手法で、主な企業だけを対象にして毎月アンケート調査を実施した上で、その結果を公表している。特に注目されるのが、足元の企業の景況認識が良好かどうかを示す「業況判断DI」である(DIはディフュージョン・インデックスの略)。回答の選択肢は「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つだが、これらのうち「良い」の回答比率(パーセンテージ)から「悪い」のそれを差し引くことで、DIが算出される。さっそく、10月に入ってからの企業の景況感を確認してみよう。

(1)QUICK短観・ロイター短観ともに、製造業の景況感は下期入り後さらに改善

 10月16日に発表された10月のQUICK短観で、製造業の業況判断DIは+36(前月比+5ポイント)になった。2007年6月に記録した+35を上回り、QUICK短観の調査が開始された2006年12月以降で最も高い水準になった<■図1>。

■図1:QUICK短観 業況判断DI
(出所)QUICK

 翌17日に発表された10月のロイター短観で、製造業の業況判断DIは+31(前月比+6ポイント)になった。「リーマンショック」よりも前、2007年6月(+31)以来の高い水準になった<■図2>。

■図2:ロイター短観 業況判断DI
(出所)ロイター