会社や学校で行うことも今後、自宅で行うようになる

 そのあたりについて、冒頭でご紹介した調査の発表元は次のように述べて一種の警告を発しており、傾聴に値する。

 「従来であれば会社や学校といった『セカンドプレイス』や、その他の場である『サードプレイス』で行なわれていることが、『ファーストプレイス』つまり自宅で行なおうとする動きが、今後飛躍的に拡大する可能性があります。これは労働、教育、消費、医療、娯楽などあらゆる領域においてあてはまることです。ファーストプレイス化により、世の中は徐々に『移動が当たり前ではない社会』へと移行し、結果的に生活者が移動しなくなる『非移動化』が進行する可能性も考えられます。ファーストプレイス化が引き起こす『非移動化』は、長期的に見ると様々な面で社会全体の停滞につながっていくと私共は考えております」

「移動が当たり前ではない社会」へ変容していく

 会社とインターネット回線でつなげて自宅で勤務するテレワーク、映像で講義を受けることのできる大学や予備校や英会話学校、小売業界におけるeコマースの隆盛、わざわざDVDを借りに出向かなくても自宅でオンラインで選択して視聴できる映像ソフト提供サービス…。

 テクノロジーの飛躍的な進歩によって、さまざまな物事が便利になり、「移動が当たり前ではない社会」へと、われわれのライフスタイルは日々変容している。

 だが、休日なのに自分の部屋にこもったまま出てこない子供たちの様子などを見ていると、そうした利便性の代償として、人と人のコミュニケーションの希薄化、コミュニティ形成の困難さといった副作用が生じつつあるのではないか。筆者はそう危惧している。

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