「自動ブレーキ型」「ドローン型」…直近4年の新入社員のタイプ

◆2013年度「ロボット掃除機型」

 「一見どれも均一的で区別がつきにくいが、部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つ(就職活動期間が2か月短縮されたなかで、効率よく会社訪問をすることが求められた)」

 「しかし段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることもある。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要」

◆2014年度「自動ブレーキ型」

 「知識豊富で敏感。就職活動も手堅く進め、そこそこの内定を得ると、壁にぶつかる前に活動を終了。何事も安全運転の傾向がある。人を傷つけない安心感はあるが、どこか馬力不足との声も。どんな環境でも自在に運転できるようになるには、高感度センサーを活用した開発(指導、育成)が必要」

 「上の世代からすればいささか物足りない印象を持つようだ。新入社員についても、失敗を恐れずに『あたってくだけろ』の精神でパワー全開、突っ走って欲しいとの声もある」

◆2015年度「消せるボールペン型」

 「見かけはありきたりなボールペンだが、その機能は大きく異なっている。見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない。ただ注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、インクが切れてしまう(離職してしまう)」

◆2016年度「ドローン型」

 「強い風(就職活動日程や経済状況などのめまぐるしい変化)にあおられたが、なんとか自律飛行を保ち、目標地点に着地(希望の内定を確保)できた者が多かった。さらなる技術革新(スキルアップ)によって、様々な場面での貢献が期待できる。内外ともに社会の転換期にあるため、世界を広く俯瞰できるようになってほしい。なお夜間飛行(深夜残業)や目視外飛行は規制されており、ルールを守った運用や使用者の技量(ワークライフバランスへの配慮や適性の見極め)も必要」

 「使用者(上司や先輩)の操縦ミスや使用法の誤りによって、機体を傷つけてしまったり、紛失(早期離職)の恐れもある。また、多くのものは充電式なので、長時間の酷使には耐えない」

「ぬるま湯」的環境が、意欲をさらに弱めている?

 こうした近年の新入社員の特徴からは、基本的に安全・安定志向で、自分から積極的にリスクをとりたがらない姿が浮かび上がる。また、若年層の絶対数が不足しているので、仕事の指導で「昔流」に厳しく鍛えた結果、早期に退職されてしまうと、上司の責任問題にもなりかねない。このため、言い方は悪いが「ぬるま湯」的な職場の指導環境になってしまい、新入社員の上昇志向・リスクテイク意欲を結果的に弱めている面があると言えはしまいか。

 付け加えると、最近の若者は異性に対しても消極的である(むろん、男女差や個人差はあるが…)。これでは政府がいくら旗を振っても、出生率はなかなか上がらない。筆者が先日参加した高校のクラス会では、息子・娘に結婚願望があまりないことを嘆く声が複数聞かれていた。

交際相手がいない男女の割合が過去最高に

 国立社会保障・人口問題研究所が9月15日に発表した調査結果(2015年6月実施)によると、18~34歳の独身者のうち、交際相手がいない男性は69.8%、女性は59.1%で、いずれも1987年調査開始以来の過去最高を更新した。結婚の意志がある人は男女とも8割を超えているが、「希望と現実のギャップで結婚を先送りするうちに、交際自体に消極的になっている傾向がみられる」という。

 仕事でも男女交際でも、若い人にはもっとリスクをとってほしいものだと、筆者などは考えてしまう。人生は一度しかないのだし、そうしてくれた方が日本経済全体にとってもポジティブである可能性が高いのだから。

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