新入社員の大半はリスクテイクに慎重
(2)「将来への自分のキャリアプランを考える上では、社内で出世するより、自分で起業して独立したい」という質問に、「そう思う」と回答した新入社員の割合<図3>
この質問は2003年度春から実施されている。「そう思う」という回答が多いようだと、ベンチャー企業設立などによる日本経済のサプライサイド活性化への期待が膨らむのだが、現実は正反対。新入社員の多数派はリスクテイクに慎重で、2016年度春の調査では「そう思う」が10.8%しかおらず、「そう思わない」が89.2%だった。
貪欲さはますます失われている
(3)「人より多く賃金を得なくとも、食べていけるだけの収入があれば十分だ」という質問に、「そう思う」と回答した新入社員の割合<図4>
この質問は2006年度春から実施されている。2016年度春の調査では「そう思う」という回答が急増し、39.7%に達した。なんともさびしい結果だと言わざるを得ない。過去のパターンから考えて、2016年度秋の調査では50%前後を占める可能性がある。
上記の調査とは別に、日本生産性本部の「職業のあり方研究会」は毎年、新入社員の特徴・タイプをキャッチフレーズ的に言い表す調査研究を発表している。この研究会は若年者の就労支援や教育の専門家などで構成され、多くの企業や学校等の就職・採用関係者の協力を得ながら新入社員の特徴や就職・採用環境の動向などに関し調査研究を行っている。03年度以降は現代コミュニケーション・センターから新入社員のタイプの命名を引き継ぎ、毎年3月に発表している。
直近4年の新入社員のタイプは次の通りである。思い当たる節がある人もかなり多いのではないか(「 」内は公表資料からの引用)。
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