現状の生活に最も肯定的なのは若い層

 2016年度の調査で回答分布を年齢別に見ると、楽観派が多いのは「18~29歳」(22.9%)と「30~39歳」(21.9%)。これらの層では悲観派の方が少なく、各々8.3%、13.6%である。一方、年齢が高くなるほど楽観派は減少していき、「60~69歳」で3.1%、「70歳以上」で2.1%である。

 最も楽観派が多い「18~29歳」は、生活の現状に関して、他の層よりも肯定的である。

 「あなたは、全体として、現在の生活にどの程度満足していますか」という質問への回答を見ると、「満足している」が20.6%、「まあ満足している」が63.1%で、合計は8割を超えている。全体では70.1%なので、それよりも10%ポイント以上高い。

 「あなたは、日頃の生活の中で、どの程度充実感を感じていますか」という質問への回答を見ると、「十分充実感を感じている」が21.3%、「まあ充実感を感じている」が58.3%で、合計は8割弱。全体では71.5%なので、こちらも「18~29歳」では高くなっている。

 18~29歳(さらにはそれより下の世代)が徐々に社会を担っていく中で、日本人のマインドはある程度楽観論に傾斜していき、前向きな投資行動などが出やすくなるのか。それとも、この年齢層の楽観論は現状への「安住」に立脚しているため“アニマルスピリット(野心、血気)”がむしろ発揮されにくくなるのか。

 むろん、これは現時点でクリアな結論が出る話ではないのだが、社内の若手社員を観察していると、どうやら後者の確率が高いではないかと筆者は考えてしまう。そして、彼ら・彼女たちが好きでそういう方向を志向しているわけではなく、日本の社会がそういう方向に動くように仕向けているようにも思う。

 このテーマは実は以前、一度取り上げたことがある(当コラム2014年1月27日配信「“さとり世代”よ、アニマルスピリットを抱け! 新入社員の意識に透ける日本の閉塞感」ご参照)。そこで用いた日本生産性本部「新入社員意識調査」は、2015年度秋と2016年度春のデータがその後、新たに出ている。新入社員の意識がどうなったかをここで見ておきたい。

入社後に夢を見失う傾向が強まる

(1)「自分には仕事を通じてかなえたい『夢』がある」という質問に、「そう思う」と回答した新入社員の割合図2

■図2:新入社員意識調査 「自分には仕事を通じてかなえたい『夢』がある」 ~ 「そう思う」という回答の割合
■図2:新入社員意識調査 「自分には仕事を通じてかなえたい『夢』がある」 ~ 「そう思う」という回答の割合
(出所)日本生産性本部
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 春の調査で「夢がある」と回答した新入社員は常に5割を超えているが、秋の調査になると現実社会の状況に幻滅してしまうのか、必ず減っている。2015年度秋の調査では43.1%に沈んだ。これは1991年度に調査が始まって以降で、最も低い数字である。

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