現状の生活に肯定的で、大きな夢や欲求を持たない、消極的な若者が増える傾向にある。

今後の生活は「同じようなもの」と予想する人が6割

 内閣府大臣官房政府広報室は8月27日、2016年度の「国民生活に関する世論調査」(調査期間:6月23日~7月10日)を公表した(調査対象を20歳以上から18歳以上に今回から拡充)。筆者が最も興味を抱いたのは、「今後の生活について」の回答分布である。

 「お宅の生活は、これから先、どうなっていくと思いますか。この中から1つお答えください」という設問に対して3つの選択肢が用意され、回答の分布は「良くなっていく」(8.7%)、「同じようなもの」(62.9%)、「悪くなっていく」(25.8%)になった。

 「リーマンショック」があった2008年に「悪くなっていく」が36.9%に増加して「同じようなもの」が減少するなど、発生したイベントや経済動向に応じた振れはつきまとうが、今世紀に入ってからの状況を大まかに言うと、「同じようなもの」と考える現状維持派が6割前後、「良くなっていく」と考える楽観派が1割弱、「悪くなっていく」と考える悲観派が3割弱である<図1>。

■図1:国民生活に関する世論調査 今後の生活の見通し
注:1974~1976年は年に2回調査があったうち実施時期が遅い方の結果を表示。1998年と2000年は調査なし。(出所)内閣府

 現状維持派は常に最大多数だが、1960年代終盤から1970年代には4割台の年が多かった。そして、1973年に第1次オイルショックが発生するまでは楽観派が3割台で、悲観派より多かった。日本経済が高度成長期にあり、まだ「元気」だった頃である。

 楽観派は、その後しばらく2割前後で推移したが、平成バブル崩壊・不良債権問題で1990年代は低下を続け、結局、1割弱に落ち着きどころを見出した。