
OECDの調査対象45か国すべてが「プラス成長」の見込み
米経済紙ウォールストリートジャーナル(アジア版)は8月24日、「歩調が合っている世界の経済成長(Global Economies Grow in Sync)」と題した記事を1面トップに掲載した。OECD(経済協力開発機構)が調査対象にしている45か国すべてが今年はプラス成長となる見込みで、これは2007年(米国で住宅バブルが崩壊した年)以来のことだという。さらに、それらのうち33か国の成長は前年から加速すると予想されている。また、IMF(国際通貨基金)による世界経済の成長見通しは、2016年実績見込みの前年比+3.2%から、2017年は同+3.5%、2018年は同+3.6%へと加速する姿になっている。
その一方で、物価の上昇率はブラジル、ロシア、インドなど主要新興国で鈍化してきており、それらの国々の中央銀行は金融緩和で景気を刺激している。
バランスシートの拡大続き「金あまり」は変わらず
先進国では米国でFRB(連邦準備理事会)のバランスシート縮小が10月から開始されることが決まったが、日本やユーロ圏ではバランスシート拡大が続いており、世界全体の金あまり状況はまだ変わっていない。
さらに言えば、グローバル化・IT化という経済の大きな構造変化ゆえに、実態としてもはや高すぎる数字になってしまった2%前後のインフレ目標にFRB(連邦準備制度理事会)など先進国の中央銀行が拘泥している結果、金融が緩和され過ぎた状況がこの先も長く続きやすい。市場参加者にとっては、こうした低金利・金あまり状況(およびそれに限定的に加えられるとみられる修正)とどのようにうまく付き合っていくのかが、大きな課題になる。
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