トランプ米大統領は、メディアの注目を浴びることでは大成功した(写真=AP/アフロ)

 北朝鮮の非核化がなかなか進展せず、トランプ米大統領は苦慮している。ポンペオ国務長官の訪朝が中止されたが、その背後には朝鮮戦争終戦宣言が先か、非核化に向けた計画申告など北朝鮮による具体的措置の実行が先かという対立があるという。首脳会談という歴史的イベントが終わった後、米朝がたどっていくコースは見えない。

 こうした状況になったのは、30年前から変わらないトランプ氏独特のやり方ゆえだと指摘する人物がいる。それを紹介した朝日新聞8月23日朝刊掲載の記事は興味深い。

 「トランプ流迷走、30年前も カジノホテル経営を任された男性」と題した記事に登場する、トランプ氏が以前所有したカジノホテルの経営を任されたジョン・オドンネル氏(63)。「世界をアッと驚かせて注目を浴びるが、交渉の中身には関心がなく、組織の競争を求めて混乱を招く。『過去を見れば彼の未来は予想できる』」と、この記事には総まとめ的に書かれている。以下、オドンネル氏の注目に値する発言を引用したい。

人間の性格や行動パターンは幼少期に固まってしまうが…

 「トランプ氏の大統領としての振る舞いは、私が彼とビジネスを共にしていた時と非常に似ている。まったく変わっていない」

 「トランプ氏には『AとZ』しかない。思いつく『A』とゴールの『Z』。物事を進めるときに、その間にたくさんの手順が詰まっているはずだが、彼にはない。まったく戦略的な思考を持っていない」

 「得たのは注目だけ。北朝鮮の金正恩氏との首脳会談もまったく同じだ。首脳会談でメディアの見出しを獲得した。それだけだ」

 「彼はいつも鍋をかき回そうとしていた。競争を求めていた」

 「トランプ氏は絶対に交渉の失敗を認めない」

 「(米朝交渉を担うポンペオ長官は)いつか責任をかぶる『身代わり』になるだろう」

 人間の性格や行動パターンは、幼少期のうちに大方固まってしまい、年齢を重ねてからそれを変えるのは至難の業である。トランプ氏の場合も、おそらくそうなのだろう。

 米国では、共和党内でトランプ大統領への支持が徐々に強まる一方、民主党は(議会幹部は表立っては口にしていないものの)中間選挙で下院の過半数を奪還できればトランプ大統領を弾劾訴追する構えだと推測される。「2つのアメリカ」と揶揄されるほど、米国民の意見が分裂するようになっており、そうした傾向に拍車をかけているのが、SNS経由でニュースを含むさまざまな情報を得ようとする風潮の強まりだとされている。