安息日の静かな過ごし方を疑問に思う人はいない

 日本は、残業時間の削減や有給休暇取得の奨励などを通じて労働時間を短縮し、その時間にレジャーや買い物にお金を使わせて景気を刺激できないかと、政府が真剣に模索している国である。もっとも、そうした試みの1つである「プレミアムフライデー」は、2月の初回こそ話題になったものの、2度目の3月は多くの企業の決算期末とバッティングするという不運(?)に見舞われ、年度が替わった4月からは徐々に忘れられつつあるのだが…。

 一方、イスラエルでは、安息日の静かな過ごし方を疑問に思っている人は誰もいないのだという。

 ロスチャイルド(ロートシルト)家、ウォール街のビッグネームなど、ユダヤ人は金融を中心に成功者を輩出してきた。白人至上主義者と反対派の衝突に関する米国のトランプ大統領の発言が波紋を呼ぶ中であらためて報じられたように、辞任説が一時流れたコーン国家経済会議(NEC)委員長はユダヤ系で、米大手投資銀行の出身。ムニューシン財務長官もそうである。

金融界の要所で活躍するユダヤ系の大物たち

 歴代のFRB(連邦準備理事会)議長にもユダヤ系が多い。前議長であるバーナンキ氏のファーストネームであるベンジャミン(ベン)は、ユダヤ系に多い名前として知られている。その前の議長だった「マエストロ」ことグリーンスパン氏もユダヤ系である。現在の議長であるイエレン氏、副議長であるフィッシャー氏もそうで、後者はイスラエル中央銀行の総裁を以前務めていた。

 金融以外でも、有望なベンチャー企業がいくつも出てくるなど、ユダヤ人が作った国であるイスラエルには経済的な強みがある。その一方、宗教・生活慣習の面で、この国のユダヤ人は実に厳格に行動しており、そこでは経済的なメリット・デメリットは完全に考慮の外に置かれている。

 ユダヤ人が有するこうした2面性を日本人が十分に理解するのは、なかなか難しいことなのかもしれない。

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