◆8月21日に日本百貨店協会が発表した7月の全国百貨店売上高概況で、売上高総額(店舗数調整後、以下同じ)は前年同月比▲6.1%になった(2カ月ぶり減)。119店舗のうち、入店客数が減少した店舗が73にのぼった。担当者は「猛烈な暑さで、主な客層である年配のお客さまが外出を控えた影響が出た」と分析している(共同)。日傘、帽子、サングラス、扇子などの盛夏商材やUV関連商品は動いたが、衣料品のクリアランスセール前倒しの影響などもあり、売上高は前年同月実績に届かなかった。

◆8月22日に日本ショッピングセンター協会が発表した7月のショッピングセンター(SC)販売統計調査報告で、既存SC売上高は前年同月比▲1.9%になった(2カ月ぶり減)。「西日本を中心とした豪雨、台風や記録的猛暑などの天候不順で客足が鈍ったことが大きく影響した」と、公表資料に書かれている。

◆8月27日に日本フードサービス協会が発表した7月の外食産業市場動向調査(全店データ)で、売上高は前年同月比+0.5%になった(23カ月連続増)。土曜日が前年同月より1日少なかったことや全国的猛暑、台風など異例続きの天候で客足は同▲1.1%になった。だが、価格改定や各社のキャンペーン、季節メニューの効果などで客単価の上昇が続いており、プラスの売上高を確保。業態別では、ファーストフード業態のうち「アイスクリーム」が猛暑で好調に推移し、前年同月比+2.0%。一方、喫茶業態では猛暑で冷たいドリンクなどが好調だったが、異例の天候が続いて客足を遠ざけ、同▲2.0%になった。

 自宅近くにあるケースが多いとみられるコンビニエンスストアに比べ、遠くにあるケースが多いとみられる百貨店やショッピングセンターは、記録的な猛暑の中では集客面で不利だったと言える。喫茶店でさえも、足を向けるのが億劫になった人が少なからずいたようである。

 なお、上記のような販売・外食関連統計のほかにも、猛暑に関連するデータが含まれている業界統計がいくつかあることも、念のため書いておきたい。

 たとえば、7月22日に日本電機工業会(JEMA)が発表した7月の白物家電出荷額。国内出荷額は前年同月比+7.2%(3カ月連続増)で、うちルームエアコンは同+12.2%(6カ月連続増)になった。猛暑を背景に7月のルームエアコン国内出荷台数は176.3万台に達し、7月としては1972年の統計開始以降で、最高の数字になった。

③QUICK短観

40度を超えると通常の猛暑よりマイナス

 企業の側は、自社の業績への影響を含めて、今年の猛暑をどのように受け止めているのだろうか。こうした疑問に答えてくれたのが、情報サービス会社QUICKが上場企業を対象に毎月実施しているQUICK短観である。

 8月15日に発表されたQUICK短観(調査期間:8月1~12日)では、313社が猛暑に関する特別質問に回答した。「記録的な猛暑が続いています。この暑さに関する貴社の状況はどれが最も近いでしょうか?」という設問に対する回答分布は以下の通りである。

  • A.「猛暑特需(猛暑によるプラス効果)が生じている」(20社・6%)
  • B.「猛暑が業績に悪影響を与えている」(28社・9%)
  • C.「猛暑をビジネスチャンスと捉えて対応を講じている・考えている」(24社・8%)
  • D.「足元では影響はほとんどなく、今後も特に対応は考えていない」(241社・77%)

 ここでAとBだけを比べると、猛暑による経済効果はマイナス面の方が大きいという話になってしまう。だが、Cと回答した企業の行動は、経済にポジティブな影響を与え得るだろう。したがって、ここではA+C(合計14%)が猛暑でプラス効果を享受しているか、前向きに猛暑に対応しており、ネガティブに影響していると回答したBを上回った、という整理をすることにしたい。

 以上①~③を総合して考えると、四捨五入すれば40度になるほどの異常に高い気温の下では、夏物需要が経済にプラスの影響を及ぼす一方、脱力感や気力減退に由来する客足の減少などで通常の猛暑に比べるとマイナス面が大きくなるものの、日本経済全体への影響は差し引きではやはりプラスだと結論付けておくのが、順当なところだろう。