日本を含め先進国の多くでは、各中央銀行が政策金利を過去最低レベルまで引き下げている一方、これと対照的に新興国では利下げによる景気刺激の動きが鈍い。今回は、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの各中央銀行が近い将来、利下げに動く可能性があるかどうかについて、各国の状況をふまえ考えてみたい。
2015年のBRICS首脳会議で、各国の国旗(左から、ブラジル、インド、ロシア、中国、南アフリカ)の横に立つ、ロシアのプーチン大統領。(写真:代表撮影/AP/アフロ)

金融緩和の流れ続く先進国、利下げの動き鈍い新興国

 グローバルな金融緩和の流れが依然続いていることは、8月上中旬にイングランド銀行(BOE)、オーストラリア準備銀行(RBA)、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が政策金利を過去最低の水準まで相次いで引き下げたことにより、明確に確認されたと言えるだろう。

 だが一方で、これらの先進国とは対照的に、新興国では利下げによる景気刺激の動きが鈍い。

 ブラジルでは、2015年7月まで連続的に利上げした後、主要政策金利は14.25%で据え置き。

 ロシアでは、今年6月に0.5%幅で10か月ぶりの利下げがあったが、その後は据え置き。

 インドでは、今年4月に0.25%幅で利下げがあったが、その後は据え置き。

 中国では、昨年10月に0.25%幅で利下げがあったが、その後は据え置き。

 以上の結果、BRICs(南アフリカ共和国を含まない4か国)の主要政策金利合計値は8月25日時点で35.6%という、かなり高い水準になっている<■図1>。

■図1:BRICs(南アを含まない4か国)の中央銀行の主要政策金利合計値
注: 月末値を合計(2016年8月は25日現在)。ブラジルはSELICレート。ロシアは2013年9月に主要政策金利を公定歩合(リファイナンス金利)から1週間物レポ入札最低金利に変更した。インドはレポレート(政策金利)。中国は1年物貸出基準金利。

出所:BRICs各国の中央銀行データより筆者作成