ただし、日本の消化率は、厚生労働省の公式データではもっと低く、直近データ(2014年)で47.6%。時系列で見ると、1999年までは50%を超えていたものの、2000年以降は50%未満にとどまっている<■図2>

■図2:日本の有給休暇取得率の推移
注:1999年までは賃金労働時間制度等総合調査、2000年以降は就労条件総合調査
(出所)厚生労働省

 日本ではなぜ、有給休暇の消化日数がこのように少ないのだろうか。

有給取得に「罪悪感」を感じてしまう日本人

 この疑問への回答になると思われる興味深い内容を、「Expedia有給休暇・国際比較調査」(2015年データ)は含んでいた。

 1つは、「有給休暇取得に罪悪感を感じる人の割合」である<■図3>

■図3:有給休暇取得に罪悪感を感じる人の割合
(出所)Expedia有給休暇・国際比較調査2015

 日本は18%という、突出して高い数字になっている。本来は権利の行使であるはずの有給休暇を取る際に「すみません」と言ってしまう感覚だ。

 そして、そう感じる理由の第1位は「人手不足」。ぎりぎりの人繰りで仕事が回っている場合、休暇取得中に同僚や部下の仕事が増えてしまうことに、心理的な抵抗感があるということなのだろう。第2位は「お金がない」。休んでも遊びに行くお金がない、ということだろうか。第3位は「自営業で時間がない」である。

休暇中に仕事が頭から離れない人の割合も1番

 もう1つは、「休暇中も仕事が頭から離れない人の割合」である<■図4>

■図4:休暇中も仕事が頭から離れない人の割合
(出所)Expedia有給休暇・国際比較調査2015

 日本は13%で、韓国の11%を上回るトップの数字。「仕事漬け」的な心理状態になっており、ONとOFFの切り替えができないということだろう。電子機器の進歩がそうした心理を創り出すのに大いに貢献していると考えるのは、筆者だけではあるまい。

 このほか、日本の会社では疾病休暇(病気休暇)を取得しにくいので(日数が多いと無給になるのが通常)、自分が病気になった時のために有給休暇をある程度残しておくという動機付けがあるのだろうという指摘がある。実際、筆者の友人の1人はまさにこのパターン通りの行動をとっており、疾病休暇についてはその存在さえ知らなかった。

 さらに、会社が年間の「休暇パターン」のモデル例を提示しているため(銀行業界の場合に多いのは「1週間休暇+3日休暇+それらをとらなかった四半期に1日ずつ」)、それを超える日数の休暇はとりにくい雰囲気になっているという声も聞いた。