だが、女性のライフスタイルは、世代が新しくなるにつれて、かなり変わってきている。

 結婚・出産後も専業主婦にならず働き続けることを選択する女性が、意識の変化や政府の後押しもあって多数になった。最近の若い夫婦の場合、それぞれが自分で稼いだお金を管理していて「財布は別々」という事例が少なくないように見受けられる。

中古衣類の個人間売買ではGDPは伸びない

 女性が衣料品やファッション関連の雑貨・小物を買う店は、オンラインのケースを含め、実に多様化している。最近では若い世代を中心にスマートフォン上のフリマ(フリーマーケット)アプリであるメルカリなどが大人気で、中古(あるいはいわゆる新古)の衣服が個人間で売買されるケースも増えている。

 経済統計の観点から言うと、こうした場合、業者の仲介手数料といった付随して生じる付加価値以外は、GDPに計上されない扱いとなる。なぜなら、中古品の売買は、それが衣服であるにせよ自動車であるにせよ、モノを新たに産み出してはおらず、所有権の移転にとどまっているからである。

 入学・入社に伴う家電や家具の買い揃えを含めた新生活の準備を、上記のようなアプリでの買い物だけで済まそうというキャンペーンが行われている。買うのが新品でも中古品でも、消費者が手に入れる効用には大筋変わりがないわけだが、メルカリなどの隆盛によって、GDPでは民間最終消費支出(個人消費)が伸び悩み、経済成長率は抑制される。

「デジタル社会」に経済統計は対応できているのか

 急速な発展を遂げる「デジタル社会」。こうした新しい事態に伝統的なマクロ経済統計は十分対応できているのだろうかという疑問を抱いているのは、筆者だけではあるまい。

 難題に対処できているように見えるとの主張もある(たとえば内閣府経済社会総合研究所「経済分析」第192号所収「デジタル時代を迎えた今も、GDPは正しく計測されているか?」)。その一方で、「GDPは、技術による構造的変化をとらえられない」「GDPはSNSを測定できない」「総合的な生産量は過小評価されている」「情報技術の発展がもたらす効率性は、財の市場価値を高めない限り『付加価値』として認められることはない」といった、厳しい意見も出されている(ザカリー・カラベル著・北川知子訳『経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実』ダイヤモンド社)。