65歳以上のシニア層が直面する厳しい現実

 2005年には、65歳以上の雇用者が236万人で、役員を除くと160万人。うち「正規の職員・従業員」が52万人、「非正規の職員・従業員」が108万人(そのうち「パート・アルバイト」が65万人)。

 2015年には、65歳以上の雇用者が458万人で、役員を除くと360万人。うち「正規の職員・従業員」が93万人、「非正規の職員・従業員」が267万人(そのうち「パート・アルバイト」が179万人)。

 非正規比率(雇用者に占める「非正規の職員・従業員」の割合)は05年には67.5%だったが、2015年には74.2%に上昇した。

 安倍内閣は、「アベノミクス」の新たなキャッチフレーズとして「一億総活躍」を掲げており、女性と高齢者の労働市場への積極参入を促している。

 だが、ここで見てきた通り、65歳以上のシニア層が直面している日本の労働市場の状況は決して「優しい」ものではない。

 そもそも論を言うと、「アベノミクス」第2ステージで新たな「3本の矢」の1つになっている「希望出生率1.8」が日本の人口を1億人で下げ止まらせることのできる数字にはなっていないところに、矛盾が内包されているとも言える。

 合計特殊出生率が人口置換水準である2.07まで上昇しないと、人口の減少は止まらない。それでも海外からの移民など外国人の積極的受け入れ策への慎重姿勢を崩さないところに、「アベノミクス」に行き詰まり感が漂っており、海外投資家が日本株の売り越しに転じた大きな理由があると、筆者はみている。