総務省が集計している労働力調査の2005年と2015年の計数(暦年・平均値)を用いて、シニア層(65歳以上)が労働市場でどこまで活躍の場を広げたかを確認してみた。年月が経過する中で同じ世代の人々の動きをトレースするのではなく、2つの年を選んで労働市場の断面図的な比較を行った。

 まず、「15~64歳」と「65歳以上」の2005年から2015年の人数変化は、下表の通りである<図25>。

■図2:労働力調査 年齢別の人数変化(男女計) 2005年→2015年
(出所)総務省資料より筆者作成
■図3:労働力調査 年齢別の人数変化(男) 2005年→2015年
(出所)総務省資料より筆者作成
■図4:労働力調査 年齢別の人数変化(女) 2005年→2015年
(出所)総務省資料より筆者作成
■図5:労働力調査 年齢別就業者数 2005年→2015年の変化
(出所)総務省資料より筆者作成

65歳以上の労働市場は、ほぼ完全な「買い手市場」

 65歳以上の労働力人口はこの10年間で240万人増加しており、そのほとんどは就業者になっている。65歳以上の働き口が限られていることは残念ながら今の日本では自明であるため、求職活動を行うなどして完全失業者の定義にあてはまっているシニア層は非常に少ないことが示唆されている。言い方を変えると、65歳以上の労働市場は、ほぼ完全な「買い手市場」である。

 次に、労働力調査の詳細集計にある「年齢階級別、雇用形態別雇用者数」を参照して、こちらでも2005年から2015年の変化を調べてみた。

 すると、65歳以上の雇用者(当たり前のことだが就業者よりも少ない)のうちかなりの部分が、賃金水準が相対的に低いことが多いと考えられる「非正規の職員・従業員」であることが確認される<図6>。

■図6:労働力調査(詳細集計) 年齢別 65歳以上の役員除く雇用者 正規・非正規別内訳
(出所)総務省資料より筆者作成